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注目の投資テーマは?

 決算発表シーズンが終わって個別物色の材料が少なくなりました。テーマ株の活躍に期待したいところです。

 皆さんは現在、投資対象としてどのようなテーマに特に注目していますか?「その他」も含め、「最大で3つ程度」選んでみて下さい。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ストックBOX/backnumber

波乱万丈

iwamoto |2017/08/21 7:52 am

 24日は「処暑」。二十四節季のひとつ、「暑さが止み、新涼が間近い日」と辞書にあります。収穫の候も目前ですが、まだ暑さと涼しさが混じった不快な時期でもあります。

 先週は日経平均が259円、1.32%下落(ダウ工業株30種は0.84%下落)しました。週初が北朝鮮リスクで振らされ、中盤には堪えたものの、週末にはトランプ政権への不安から再び下放れ、となりました。

 「政権内で最も危険な男」といわれたバノン首席戦略官の更迭で政権基盤が安定化するかどうかが問題なのでしょうが、トランプ大統領は20日全米各地で開かれた白人至上主義への抗議デモに関し、ツイッターに意味不明な書き込みをしているようですから、最大の問題はこの大統領自身ということでしょう。

 「バノン更迭」が伝わった18日の米国株式の反応も微妙。ダウ工業株は続落して始まって午前11時過ぎに前日比109ドル安まであり、その後発表されたミシガン大学消費者態度指数の明るい数字をみて切り返しに転じ、午後12時過ぎにはプラス転換。12時40分に同43ドル高までありました。「更迭」の憶測が出たのは12時頃、ニュースとして伝わったのは40分過ぎのようです。「発表で売る」の定石通り、その後は下げに転じましたが、終値が76ドル安ですから、果たして好感されたのかどうか、よくわかりません。

 「我々が勝ち取ったトランプ政権は終わった」とバノン氏は語っているそうですが、メディアや批判勢力はこの政権の「終わりの始まり」として、まったく冷ややか。

 一方、本日から31日まで米韓合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」が開かれます。北朝鮮は「火に油を注ぐように情勢をさらに悪化させる」と警告めいた口調ですから、改めてミサイル発射実験など警戒が必要になります。

 24〜25日が経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」。イエレンFRB議長やドラギECB総裁が出口戦略に関してどんな発言をするか、しないのか。状況が状況だけに、いっそう注目されることになるでしょう。

 米国株が本格的な調整に入るかもしれない、という警戒感が強まっていますが、今週号のバロンズ誌には「米国株式市場の上昇相場は終盤に入り、投資家の資金は海外市場に向かう」という記事がありました。米国株が終わるのかどうかはともかく、この間も例えばアジア株などは米国株以上に高いパフォーマンスを上げてきたし、好調な海外経済が今後も高い成果の機会を与えるだろう、ということ。その海外株式の中に、日本株が入っているかどうかが問題ですが…。(イワモト)

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市場参加者の警戒の表れ

r.matsushita |2017/08/18 8:12 am

 昨夜のアメリカ株式市場でDJIA(ダウ工業株)は274ドルの下落、いよいよまとまった下落相場か、と思わせる動きになっています。連れて日本株も時間外で日経平均先物が200円規模の下落、円ドルは110円割れの展開となっています。

 まだ大きく下落したというわけではありませんが、株価下落は明らかに市場参加者の警戒感の現れ、でしょう。では、市場参加者がどの株式市場の下落を警戒しているのか?と聞けば、ほとんどの人がアメリカ株式市場、と答えるに違いありません。アメリカ株下落→日本株下落(場合によってはアメリカ株以上に下落)というシナリオは考えざるを得ないところなのでしょうが、景気と企業業績から考えて日本株が大きく下落してしまうというのは納得しがたいところではあります。地政学的リスクということもあるのでしょうが、そうであれば、日本株下落と同時に円も安くならないと理屈に合わないと思いますが・・まあ、それもこれも結局需給のせい、ということなのでしょう。

 海外勢は大量の日本株売り玉を持っているわけでもなく(先物中心の売り)、投機的に売れる額も2年前ほどではないと思われますが、ベクトルの方向からすれば「売り」の方向のようです。これで、アメリカ株が大きな下落でもすれば、待ってましたとばかり、あるいは、アメリカ株が下落しそうだ、となれば、その前に、大量の先物売りを実行して来る恐れはありそうですね。

 しばらくは買いポジションは控えめにして銘柄選択は厳重に、これはと思う銘柄でも押し目買いに徹する、といった対処が快適なのだろうと思います。もっと積極的に進むのであれば売りに傾斜したトレーディング実行、といったところでしょうか。

 話は変わりますが、トランプ氏はなぜあんなにいわゆる「ポリティカル・コレクトネス」を無視(KY?)するのでしょうか?よく理解できない話です。やはりヒラリーにしておけばよかった、とアメリカ国民の少なくとも一部(多く?)は思っているでしょうね。(もっともヒラリーならもう北朝鮮を攻撃しているかもしれませんが。)

 今週もいろいろなことがありましたが以下のことが印象に残りました。
・フランス、マクロン支持率大幅に低下。歳出削減がきっかけか。
・ビットコイン価格4000ドル突破。価値の基準がないだけ強い、という見方ができるということでしょうか。
・内需けん引して4-6月期GDP年率4%増。これは素晴らしいことです。雇用が改善し、賃金が上がり始めたからでしょから。
・決算短信内容省略化進む。いよいよアナリストの出番という気がするのですが。
・アリババ来年日本でのスマホ決済に進出。
・上場企業2018年3月期は最終二けた増益の見込み。
・中国企業、党の介入を明文化。これは唖然ですね。

成長の限界
 日本経済は深刻なデフレからは脱出しつつあるものの、成長軌道に乗ってインフレ率も(そこそこ目標の)2%に近づくという気配は今のところ感じられません。悪くはないのだが今一つといった回復感でしょう。

 アベノミクスになってからはあまり話題にならなくなったのですが、一時は成長の限界⇒ゼロ成長・デフレが(新)常態という論が幅を利かせていたものです。

 このままインフレ率が低いままで推移しますと、何かの拍子で米国経済が不調になるとまた日本経済は深刻なデフレに逆戻りするのではないか、やっぱり成長の限界論は正しかった、などということにならないとも限りません。

 成長の限界論者の基本観は(簡単に言ってしまえば)「もうこれ以上人類の生活水準が上がる必要はない」、「資本主義による経済拡大が機能しなくなった」ということに尽きるように思います。技術が飽和し、多くの人類の生活水準が向上すれば、取り残される人たちが居るにしましても、経済拡大の成長点(フロンティア)は縮小しますから、確かにそうだと言えなくもない気もします。人類が一人残らずこのそれなりの生活水準を享受できるように分配のことを考えることの方がはるかに重要だ、となるのは不思議ではありません。経済が成長しなくなれば、デフレはほぼ不可避です。

 ただこの辺りは実はそうでもないのではないかという気が私はします。資本主義を前提にしての話ですが、貨幣の額で計算した経済の規模の拡大はこれからもずっと、もしかするとこれまでより成長率が加速する形で経済拡大が起きるのではないか、とすら思います。

 私には、以下のようなことがヒントに思えます。
・ドイツの高級車とトラバント(技術の進歩)
・フランスのブランドバッグと100円ショップで買える買い物バッグ(ブランド価値)
・SNSが作り出したサービス(IT分野)
・仮想通貨とその代表であるビットコインの派生コイン・ビジネス(フィンテック分野)

 現実の今の世界では飢えに苦しむ人たちも多いわけですからちょっと書きにくいのですが、一人の人間が食べる食料がカロリーベースで毎年毎年成長するわけではないのだから、自ずから経済成長には限界がある、ということではなくて、人類は次から次へといろいろなものを考え出して(貨幣で計算される額の価値を持つものを考え出して)行くので経済は成長する、というわけです。

 いつも放送の中で話しているのですが、いろいろな意味でアメリカという国は羨ましいわけですが、さてわが日本はどんな価値創造に成功するのだろうか?とりあえずは名目価格を上昇させるという手がありますが、その手が手詰まりになった時にどんな新しい価値を生み出して行けるのか?

 アップルに部品を売る、とか、優れた素材を供給する、高品質・中クラス価格の工業製品を世界(中進国あるいはミドルクラスの人たち)に売る、横並びのフィンテック関連ビジネスを拡大する、くらいのことは日本人は簡単にやってのけるでしょうが、もっと大掛かりな経済規模の拡大ネタはないものか、と考えますと、なかなかこれといったものが思い浮かびません。あるいは、資本サイドにもっと進んで資本を支える(つまりはリスクをとる)ことで付加価値を稼ぐ、といった方向もあるのかもしれません。

 いずれにしましても、私は個人的には資本主義経済の限界などというものは微塵も感じない、というのが本音です。ただ、基本的に要請される性能以外のデコレーションを着けて高い車を売る、原価1万円のバッグをフランスの有名ブランドだからといって数十万円で売る、ろくでもない情報を流すSNS、信用だけで成り立っている仮想通貨に多額の資産を投入する、といったことを世も末だと思う人たちのある意味で健全な精神を忘れることはありません。(ちなみに、こうした健全な精神を持っている人たちは、不健全なものにはたいてい偽物が存在する、つまり胡散臭い・・本当の本物には偽物がないものだ、といった哲学を持っているようですね。)

(追記)
 結論も何もないようなことを書いたのですが、日本企業はたぶん上に書いたようなことをバラエティー豊かに広範囲に行って、そこそこ経済成長を遂げて行くのだろう、というのが私の想定です。その結果として株式の投資価値は徐々に上がって行くでしょうから、日本企業の資本の多くを日本の個人投資者が支えて(つまりリスクをとって)結果として「そこそこに大きな」果実を得るようになるといいのだが、と思っています。

平成29年8月18日
証券アナリスト
松下律

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新幹線の話

k.nakajima |2017/08/17 8:59 am

前回に続き身近な話題を取り上げました。  
今週はお盆休みを終えた人の、Uターンラッシュに当たります。 TVのニュースが必ず取り上げるのが、海外で休みを過ごした家族への空港でのインタビューです。 返答は判で押したように子供では「楽しかった!」、中年以上のカップルでは「リラックス出来ました」、サラリーマン風の人は「これで明日から頑張れます」。 確かに簡潔でこれ以上の言葉は必要ないのかもしれません。

一方国内組では、新幹線ホームで別れを惜しむ孫と祖父母が取り上げられます。
別れを嫌がり泣く孫の姿に。祖父母がもらい泣きするシーンです。 自分に置き換えると、やはりあの有名な言葉「来て嬉しい、帰って嬉しい孫の顔」に落ち着くのですが。 さてこの新幹線ですが商業運行が始まったのが1964年10月1日になります。 東京大阪間を約4時間かけて走る高速輸送の始まりです。 昭和初期には8時間、新幹線直前の1960年では「特急つばめ」で6時間半の所要時間でしたので大きな進歩です。

この新幹線、現在では「のぞみ」が時速320舛納騨儕薪召靴討い泙垢、車体をアルミ合金からより軽いマグネシウム合金に切り替え、車軸に使う潤滑油、短距離で止まれるブレーキなど改良が進んでいます。 2023年までに時速400舛視野に入っています。 何よりもこれまで、人身事故ゼロの記録を続けており、正に日本が世界に誇れる技術の結晶と言えます。

しかし新幹線関係者にとって、今でも痛恨の事故があったのはご存知でしょうか。 1973年2月21日夕刻に、大阪の鳥飼車両基地で起こった車両脱線で、その後終日運行が止まってしまった事故を指します。 この車両基地は37万屐聞短勹犁緇9個分)と巨大なもので、この建設の為に土地を売った農家がその年の支払い所得税の個人の部で第一位になった事でも評判になりました。

何故この話題をとりあげたか、ここからは個人的な話になります。 実はこの日家内と東京行きの新幹線に乗車していのです。 新幹線が急に止まったのが多分、小田原を過ぎた辺りと記憶しています。 大阪で車両事故が有ったとの放送が有りましたが、それ以降は止まったままです。 その間全員に毛布が配布され、夕食として菓子パンも配られた記憶が有ります。 やっと動き始めても、速度を落としての走行の為、東京駅に着いたのは確か午前1時を過ぎていたと思います。 特急料金の払い戻しを受け、驚いたのはその後です。 タクシー乗り場に空車が鈴なりに待っていたのです。 駅員が帰宅する方向別に乗客を誘導しているのです。 当然支払いは会社持ちです。 幸運にも我が家の方向に帰る人がおらず、結局家内2人だけでの帰還となりました。 運転手の話では、当日は休日だったのですが、会社から緊急の呼び出しで出てきたとの事です。 その後このような場合、新幹線側がどのような対応をしたのか分かりませんが、当時は初めての事故ゆえ、極めて手厚い対応だったとの記憶が今でも鮮明に残っています。
(中嶋)

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米国株高はバブルなのだろうか

k.suzuki |2017/08/16 7:51 am

「北朝鮮がどうやら核弾頭の開発に成功したらしい」とのニュースが世界を揺るがせた今年のお盆休み。

あまりの衝撃に隠れてしまって、さほど注目されなかったように思いますが、日本の4−6月GDP統計の数値にも驚きが走りました。年率で4.0%も成長したというあのニュースです。月曜日の朝一番に発表されました。

今回の速報データは発表前から高めの数値が予想されておりましたが、思いのほか公共投資が伸びており、設備投資も消費も好調というもので、名だたる調査機関の事前の予想値をはるかに上回るものでした。したがってこの数字はにわかには信じられない、というのが大方の見方のようです。

確かに現在の生活実感とは少しくい違っているように感じるところがないわけではありません。しかし4−6月期の企業業績もかなり好調です。終わったばかりの4〜6月期企業の決算動向は、日本経済新聞社の集計によれば、上場企業1582社の当期純利益が前年比+33%の増益となり、リーマン・ショック後では最高値を記録しました。

昨日付けの日経新聞では、石油化学工業協会の会長で三井化学の社長でもある淡輪敏(たんのわつとむ)氏が、「エチレンの生産設備は日本全体で40カ月以上もフル生産が続いている。こんな状態はかつて経験がない。」と述べていました。

淡輪社長はフル生産が長期化している要因として、中国およびアジアによる需要の拡大と自動車軽量化による新たなニーズを挙げています。

生活が豊かになれば化学製品、とりわけプラスチックの需要が高まります。オールドエコノミーの代表格に見られがちな化学業界ですが、決して「オールド」ではなく社会の最先端を切り拓いているのです。

化学セクターは総じて、フル生産の恩恵によって株価が順調な上値追いを続けています。上場来高値を更新する企業も散見されます。空前の大相場を演じている米国の株式市場はバブルではないのか、日本も割高ではないか、との議論が長く続いておりますが、景気と株価の関係で見る限り理性的な上昇ということになりそうです。

北朝鮮リスクは確かに気にはなりますが、それにばかり過敏に反応するのも正しいアクションではないように感じます。
(スズカズ)

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「しきたり」

e.sakurai |2017/08/15 7:15 am

先週末のSQ値は19825円92銭。
終値ベースではまた「幻」。
もっとも先月も「幻」。
9月SQでダメ押しなのか、期待なのか微妙なところ。
「人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり。
ひとたび生を得て滅せぬもののあるべきか」。
「敦盛」を舞う信長のような心境になってしまうと相場が空しくなってしまいます。
所詮、相場は諸行無常なのだからという諦念も近づけたくないところ。
重要なのはリズム。
4日続落がお約束なら5日目はまだ来ないと読めるかどうかの心の強さの勝負。
結局、売り方の期待以上の悪材料は出ませんでした。

易しいことを難しく語るのが専門家とか市場関係者。
そして割と根拠がないことも多いもの。
例えばPBRとPER。
PBRは純資産倍率だから企業の解散価値を図るのには役立ちます。
しかしPERってどういう妥当性があるのでしょう。
株価収益率と言われるとなんとなく納得。
でも14倍割れたから割安とか16倍が限界なんて言っても根拠はなく経験則。
「株価÷1株利益」あるいは「時価総額÷純利益」がPER。
それはわかります。
しかしその意味するところは株価と会社の利益の関係。
だからどうなんだという気もします。
「その会社の過去のPERや将来の予想PERと比較すること」には使えるでしょう。
「同業他社とPERを比較すること」にも使えるでしょう。
でもそんな指標でしかありません。
NYSEでは「伝統的に」14〜20倍程度をコアとした株価収益率の推移を示してきたというのが学説。
しかし日本のバブル崩壊後は40〜60倍と相当割高でした。
新興市場では成長性を期待した取引が中心だから60倍とか100倍も存在します。
あるいはリーマンショック後は一時無限大の世界。
戻ってきたときは800倍。
こんな可変性のある尺度で物事を測る世界はあまりないでしょう。
むしろ・・・。
難しいことをやさしく颯爽と処理できる指標があればそれに越したことはない筈。
ただ、市場にかかわる専門家はやさしさを忌み嫌う傾向がありますからややこしくなります。
所詮、経験則でしかないものに法則性を見つけて理論化するのは罫線も一緒といえるでしょう。
大体・・・。
「適正株価水準を説明せよ」なんて課題に仮説の答案は無数にあります。
しかしまともに正解できる専門家はいないでしょう。
もし「いる」としたらほとんど詐欺師チックなのかも知れません。
科学的にふるまおうとして論理的から遠ざかってきたような市場。
面白いものです。

投資家さんからのメール。

「夏にご用心」の替え歌でマザーズ指数は1180→1067まで下落。
「相場の行方は煙の先」の写真で北朝鮮問題で木曜の日経平均株価は300円安になりました。 
株価は動く変化する。 
仮説をたてた相場の行方は煙の先を想像していく。

説明すると「夏にご用心」の替え歌を紹介したのが7月25日。
自分でもあまり良くないイメージでしたが深層心理に警戒感がありました、というのは後付講釈。
8月7日にFBに写真を載せました。
軽井沢のゴルフ場の芝生のベンチに腰掛けてタバコを一服。
付けたコメントは「相場の行方は煙の先」。
これも後付け講釈ですが、煙の先は下落でした。
それにしてもいろいろよく見られているものです。

あるいは元証券マン氏からのメール。
株高祈願でカレーを食べたりネクタイを赤くしたり、それぞれにしきたりがあるものです。

昨日は「床屋さん」へ行ってきました。
床屋に行った後の日経平均株価は上昇確率が高い傾向です。
証券会社時代は、株価が低迷すると、株価テレビを皆で拭き掃除と化していました。


以下は今朝の場況。

「恐怖(VIX)指数が低下」

週明けのNY株式市場は続伸。
NYダウは一時160ドル以上の上昇となり、22000ドルを回復する場面もあった。
NASDAQ総合株価指数は大幅続伸。
フェイスブックやアマゾンといったネット関連株が軒並み上昇。
半導体関連株への買いが活発となった。
S&P500は1%超の上昇。
背景は北朝鮮問題について外交的な解決を目指す方向が見え始めたこと。
CIA長官は「米国が北朝鮮と核戦争に突入することを示唆する兆候はみられない」とコメント。
ティラーソン国務長官とマティス国防長官は連名でウォール・ストリート・ジャーナルに寄稿。
「北朝鮮に外交及び経済的な圧力をかけ、不可逆的な朝鮮半島の非核化と弾道ミサイル開発計画の解体を目指している」とコメント。
北朝鮮情勢の軍事衝突への懸念が後退する要因となった。
ニューヨーク連銀のダドリー総裁は「今年中にあと1回の利上げ実施を支持する」とコメント。
10年債券利回りは上昇(価格は低下)。
12月の利上げ確率は前日の37.4%から46.7%へ急上昇。
一方でVIX(恐怖)指数は12.33まで低下した。
8月14日の株高アノマリーはNYでは生きていた印象。

「5日ぶりの反発期待」

週明けの日経平均株価は3ケタの下落で4日続落。
一時19500円を割り込む場面もあった。
しかしそこから売り叩く動きは見られず。
むしろ「押し目買い」的な展開も散見された。
「今年の続落は4日まで」のアノマリーが活用されたのかも知れない。
改めて紙芝居を確認してみると、25日線(19993円)からは2.28%のマイナスかい離。
75日線は19898円でこれも割れ込んだまま。
一目均衡の雲の下限が19430円、上限は20039円と遥かに上に位置している。
ボリンジャーのマイナス3σが19568円、マイナス2σが19710円。
雲の下限とマイナス3σで下げ止まったということ。
225先物大証夜間取引終値は日中比70円高の19600円。
ドル円も109円台後半で落ち着いている。
騰落レシオは100.13%まで低下。
サイコロは4勝8敗で33.3%まで低下した。
松井証券信用評価損率は売り方▲12.328%(前日▲13.087%)。
買い方▲7.555%(前日6.751%)とまだ買い方は踏みこたえられるところ。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損率は売り方▲3.98%。
買い方▲17.51%と買い方の劣勢が鮮明だ。
日経VIは18.59。
空売り比率は40.1%と3日連続40%超。
もっとも日経平均のPERは13.80倍でEPSは1415.73円と高値更新。
5日ぶりの反発期待の火曜日だ。
(櫻井)。

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リスク警戒の週明け

iwamoto |2017/08/14 7:33 am

 まず、先週金曜日の振り返り。日本国中が“山籠り”した11日、米労働省発表の7月消費者物価指数(CPI)は前月比0.1%上昇(ブルームバーグによる市場予想は0.2%)。前年同月比では1.7%上昇(同1.8%)。食料・エネルギーを除くコアCPIは前月比0.1%上昇(同0.2%)。前年同月比の2%割れは3カ月連続。3カ月連続してインフレ目標を下回る、というのはFRBに不本意なデータ。利上げの根拠を得られないまま年越し、ということにもなりかねません。そのため、金融市場が織り込む年内利上げ確率は25%まで低下しました。
 米10年債金利も2.19%と、1か月半ぶりで2.2%割れ。米国株は利上げ後退を意識して4日ぶり反発。とはいえ、上昇幅は14.31ドル(0.06%)と微弱な反発力。
 インフレ指標の弱さを受けてCOMEXの金先物も3日続伸して高値1298.1ドルと6月7日以来の水準まで上昇。こちらは北朝鮮リスクも追い風に作用。

 リスクが嫌われてVIX指数(恐怖指数)が昨年11月の米大統領戦以来の水準に高騰。同オプションの商いも10日には過去最高を記録。翌11日も3番目の商い。機関投資家が損失回避のヘッジをかけた、ということらしい。

 欧州やアジアの市場は週末にかけて3日続落。先に下げていた米国市場は4日ぶり反発−というのが週末にかけての動き。ただ、この米国株の動きに指標性があるとは思えません今週も北朝鮮に関わる緊張関係の高まりを横目で見ながら、今週も一喜一憂の展開が続くことでしょう。

 11日の米国株は反発したけど、10日は204ドル安でした。この204ドル安は5月17日の372ドル安、3月21日の237ドル安に次ぐ今年3番目の下落幅。5月は「ロシアゲート事件捜査に関する特別検査官任命」という材料で下げましたが、3月は「北朝鮮の核開発加速」「テロ対策で航空機内への電子機器持ち込み規制」というリスク要因が下げにつながりました。もっとも、ともに大幅下落が目先底となって、再び上昇に転じるというのが米国株2回のケース。しかし、ツレ安した日本株はなかなか戻れなかった、という経緯がありました。

 北朝鮮がスカッド改良型弾道ミサイル4発の同時発射実験を行い、うち3発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落ちたのが3月7日。あそこから、4月中旬にかけ日経平均が1000円ほど下落しました。

 「グアム島周辺へ弾道ミサイル発射」という“恫喝”が仮に実行されるとしたら、いつなのか。ここしばらくの日程が市場で注目されています。

 まず、今週の15日(火)。日本では終戦記念日ですが、北朝鮮では「祖国解放記念日」として祝日に指定されています。日本の植民地支配から脱した日、という意味でしょう。7月27日に「祖国解放勝利記念日」という、似たような名前の祝日があるのですが、あちらは朝鮮戦争の休戦記念日。「アメリカ帝国主義に勝利した日」という位置づけのようです。
 次が8月25日(金)の「先軍節」。「先軍」というのは、軍事が政治に優先し、朝鮮人民軍が社会主義国家建設の主勢力になるという政治思想。金正日総書記が先軍政治を始めたのがこの日、ということのようです。
 そして、9月9日(土)が「建国記念日」。1948年9月9日に現在の朝鮮民主主義共和国が成立しています。
 この先1か月。以上が3つのチェックポイント。21日(月)からは1か月半ぶりで米韓軍の合同演習が始まるようですから、これが北朝鮮を刺激する可能性もあります。

 実際に打ち上げられるかどうかはともかく、リスク警戒の売りで株価が下げるようなら絶好の買い場、との見方が一般的。日経平均のPERは10日現在で13.96倍。さらに1万9300円台まで下落すると、PERは13.6倍台となります。長期投資家の買い出動を促すことになるでしょう。物騒で厄介な時期ですが、案外なチャンスかもしれません。(イワモト)

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朝の風景

k.nakajima |2017/08/10 8:22 am

ストックボイスでは木曜日、金曜日の午前を担当しています。 事前準備の為、会社には出来るだけ早く入りたいので、自宅の最寄り駅では5時半過ぎの2番電車に乗るようにしています。 10数年前に、日経CNBCで午前を担当していた時も、この電車を使っていました。 しかし其の当時は、朝の早いこの時間の電車に乗る人は限られており、毎回同じ顔ぶれの人が、目礼を交わしつつ同じ車番の、同じ車両の、同じドアから乗り込み、ドア際の同じシートに座ることが可能でした。  しかし今では乗り込む人の数は10倍以上に膨らんでおり、車番は同じでも、乗りたいドアに複数人重なる事もあります。 何とか座れるのですが、昔の様に同じ座席は不可能です。 沿線の開発が進んでいる事が実感できます。

朝の早い時間では、ニッカ―ボッカーでリュックを背負った人が多く、背広姿のサラリーマン然とした人が少ないのも特徴です。 少ないながら同じ顔ぶれの人に毎回出会うのですが、皆さん爆睡状態です。 多分遠距離通勤かと勝手に想像しています。 私といえば日経新聞をチェックする貴重な時間ですので、睡眠不足ながら睡魔に襲われることはありません。 次第に車両は混み始めますが、それでも立って新聞は読める程度です。 茅場町駅で降りるのですが、それを知っているのか、大体同じ人が前に立って空くのを待っています。 茅場町駅のホームでも毎回同じ人とすれ違いました。 独断ですが証券会社のディーラーの臭いを感じた人です。 しかしここ数カ月パッタリ会わなくなりました。 これも独断ですが冴えない市場の為、ディーリング部門が閉鎖されたのか知れません。

ストックボイスまで、山一證券の旧兜町別館ビルの横を通るのですが、丁度裏門のドアの前に置いてある、新聞受けの為の行李箱に大きく山一のロゴマークが入っており、毎回複雑な気持ちになります。 この兜町別館はかっては頑丈な石造りで、内部には大理石を各所に使った山一の旧本社ビルでした。 手狭になった為、別館として建て替えたのですが、その際大理石で灰皿を作り記念として売り出したのですが、今でも我が家に残っています。 道路の反対側には戦前の大相場師として名高い「天下の糸平」こと、田中平八の流れを汲む田中鉱業ビルがあります。 山一證券の株式部や証券研究所など、中枢部門が入っていたことから、証券関係者の出入りが多く兜町でも有名なビルです。 少し前からこのビルを含め、周りの雑居ビルの取り壊しが始まっています。 兜町再開発が始まったのです。 その向こうに見える金融都市構想への第一歩です。 見慣れた兜町の風景も此れからドラスティクに変わっていくことでしょう。 1970年に山一に入社、短い支援勤務の後、石作りの旧山一本社の2階にあった外国部が、サラリーマンとしてのキャリアの始まりです。 その後勤務先が八重洲、パリ、チューリッヒ、ロンドン、大手町と変わり、再び原点の兜町に戻ってきました。 その兜町が此れからどのような朝の風景を作ってくれるのか大いに楽しみです。
(中嶋)

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神保町、ああ神保町

k.suzuki |2017/08/09 7:58 am

先日、神保町の岩波ホールに映画を観に行きました。平日の昼間に大手を振って映画を観られるのは、フリーランスで仕事をしていることのメリットのひとつです。

岩波ホールは独特のセレクトで、そこでしか観られない上映作品がほとんどです。観客ももの静かで品がよく、内省的な作品が多いのでよく行きます。ひとりで観に来ている観客が9割くらいを占めるのも特徴です。

映画を見終えて、神保町という町に足を踏み出すと、街そのものが芸術の香りに包まれていることに気がつきます。古本、文芸、演劇、音楽、楽器、喫茶店。駅で言えば、秋葉原のとなりがお茶ノ水、そのお茶の水がイコール神保町です。秋葉原はサブカルチャーのメッカで、若者と外国人に圧倒的に支持されていますが、お茶の水=神保町もそれに負けず劣らずオタクの町です。ただしこちらの年齢層はもう少し高めです。

神保町には町全体にゆったりとした、独特の時間が流れています。流行にあまり左右されません。好きな人だけが好きなものを求めて各自集まるという、確固たる支持軸を持っています。まさに大人の時間と空間です。

大人が集まる町だけに、ここにはけっこうゆとりがあります。青山や広尾、高輪のかもし出す高級住宅のイメージとはまた違っていて、庶民的なのですが余裕というか安心というか、そういう空気が街全体に漂っています。どことなくいじましい秋葉原とはこの点でも異なっています。

日経平均はガチガチの膠着相場を続けています。上にも下にも動けません。この事実ひとつでアベノミクスの神通力が薄れてきたと言われます。アベノミクスなるものの本質は「株高」にあるので、株価の上昇が途切れたところでアベノミクスは賞味期限切れとなってしまいます。

しかしマーケットをつぶさにご覧の方には明らかですが、最近では個々の銘柄は驚くべき上昇と下落を連日のように呈しています。何かが動き出しているのは間違いありません。日経平均というメジャーではとらえられないだけのことです。

「働き方改革」や「生産性の向上」などといわれますが、そうではなく、日本は「大人の消費大国」、成熟国家型の消費活動に移行しただけのことです。ナスダックがここに来てもたついて、NYダウは史上最高値をし続けて、オールドエコノミーの評価が高まっているように、日本でもマザーズや新興市場ではない、「大人の銘柄」が軒並み動意づいている事実に目を凝らすべきです。

神保町。愛すべき町。小学生の頃からなじんできましたが、年とともにますます味わいが深まってきました。
(スズカズ)

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「1413」

e.sakurai |2017/08/08 7:20 am

週末の大阪でのセミナーでの事前質問のいくつか。
●どのようにして上昇しそうな銘柄を探し利益を上がれば良いのか具体的に教えて。
●株で以前失敗。怖くて手が出せない。でも今は投資したいマインド。どう考えて投資する?
●NISA5年目には初年度に仕込まれた株の売りがありそうだが、影響は?

言葉は違っていても、本質は「株を買いたいので背中を押して欲しい」。
そして二つ目は「失敗した時の言い訳が欲しい」。
これに尽きるような気しました。
結局底流にあるのは他力本願。
いつの時代も本質というのは変わらないものなのでしょう。

株価は投資家が決めるというのが投資の大原則。
一部のファンドや機関投資家が株価を決めるわけではありません。
株価はマスコミがあまり気にしない大衆投資家の総意思の方向に実は向かうもの。
これに棹さす声はいずれ間違うことになる筈です。
株価は神聖なもの、株価は敬うもの。
決して一部のものの占有物ではありません。
「フェアバリュー・フェアプライス」。
そして市場は謙虚に恥ずかしげに推移。
これは永遠の正義というのはいかにも青臭いですが・・・。


株式市場は、特に新興・中小型株市場は「知の冒険」あるいは「知的冒険」の場。
目の前を通り過ぎていく小さな材料に気がつくかどうか。
その材料を認識できる知識を持てるかどうか。
これが結構重要な要素です。
相場は森羅万象を織り込んでいるというのは頭で理解できても実際はどうでしょう。
材料に勝手に優先順位を付けて見る癖は市場からは抜けません
多くの材料があり過ぎて取捨選択に迷うほど。
だからこそ人の鑑識眼ではなく自分の頭と体で材料を吟味することが必要になってきます。
だから知の冒険と言って良いでしょう。
例えば日経でも報道された「ICO」。
IPOならば目が行くかも知れないが、ICO。
「仮想通貨取引所を運営する テックビューロ(大阪市)は
新規仮想通貨公開(ICO=Initial Coin Offering)支援サービスを10月にも始める。
ICOでは企業が仮想通貨を発行して資金を調達する。
第1号として自らICOを実施し、東証2部上場のプレミアムウォーターホールディングスも利用を検討している。
上場企業のICO利用は初の試みとなる」。
今年1月から7月までのICOによる資金調達総額は1100億円以上。
アメリカは「今はICOブームの真っ只中」というのが現実。
でもその肌感覚が東京にはありません。
遅れているのではなく、知らないだけ。
だからこそ起きていることを認知することが重要となります。
もっとも日本は「世界に先駆けて仮想通貨法(改正 資金決済法)」を成立させた国。
テックビューロの発表した「COMSA」は3種類のパブリックブロックチェーンに対応。
システム技術としてプライベートブロックチェーンを利用することになります。
「日本の仮想通貨法による法的根拠を売り物とする」。
対岸の出来事を素早く事らに持ってきて自分のものにするのはこの国の実は得意技。
だから勝てる部分がない訳ではありません。
基本でなく応用をどうするかが問われるのが株式市場の基本でもあります。
そうすれば自分なりの未来予想図を描けるかが大切な課題。
日々右往左往する必要はないとも言えます。
もっともアチコチ乗り移る投資では、一つの銘柄を吟味することは無理。
イナゴ投資と恋人投資。
どちらが良いの かは微妙ですが・・・。
もう一つ重要なのは翻訳力。
外国語を日本語に直すことということもあります。
しかし専門用語をフツーの言葉にしてものを考えないとほとんど意味不能の世界。
ITやバイオ、そして証券そのものでさえも理解不能の言葉や文章は多々あります。
そしてそのことにそれぞれの業界の人が気がついていない現実。
同じ仲間社会でだけ通じる言葉は他の世界では全く通じません。
それを翻訳することで理解力は遥かに向上するに違いありません。

以下は少しPR。
日経IR・投資家フェアの季節がやってきました。
8月25日(金)と26日(土)に東京ビッグサイト東4ホールで開催されます。
その中の「日本の夏。落語の夏。ヤマシンの夏」というイベ ント。
今年も夏のIRの風物詩に登場する予定です。
一つは「フィルタビジネスの本質を知る笑撃の2日間」。
ヤマシンフィルタがお送りするのは、ちょっと普通じゃない。
投資家の皆様に企業の本質をわかりやすくお伝えするIR。
普通のプレゼンだけじゃなく、落語、大喜利、講談など楽しいひとときを過ごしながら
フィルタビジネスの面白さや将来性をお伝えします。
落語は桂扇生さん、講談は神田京子さんが登場。
今年の夏は日経IR・投資家フェア2017のヤマシンフィルタ展示ブースに乞うご期待。
ヤマシンフィルタのビジネスをお題にした大学対抗大喜利も開催。
官学の挟持「東大」、質実剛健の「明治」、在野精神の「早稲田」。
もちろん京急さんの制服も用意してもらってます。

http://ir.adnet.jp/index.html

以下は今朝の場況。

「NYダウは10日続伸」

週明けのNY株式市場は堅調展開。
NYダウは10日続伸となり9日連続で史上最高値を更新した。
10日続伸は今年2月9日〜27日の12日続伸以来の連騰記録。
「企業決算を受けて市場心理が改善。好業績銘柄を中心に買い優勢」との解釈。
週末の雇用統計で賃金の伸びが緩慢だったために利上げベースは穏やかとなり株式市場への資金流入継続。
そんなベストシナリオが何の疑問もなく採用された格好。
VIX(恐怖)指数は低下して9.93と8日ぶりに10ポイントを下回った。
NYダウ採用銘柄の上昇率トップはアップル。
1銘柄でNYダウを16ドル押し上げた。
上昇率2位のゴールドマン・サックスの寄与度は21ドル。
Emini−S&P500株価指数先物の売買高は約58万枚とで7月3日に記録した今年最低水準(約75万枚)を更新した。
7月3日は独立記念日を前にして短縮取引の日だったが、それを下回る薄商い。
「NY市場でも夏枯れの様相が強まった」との声が聞こえる。
債券市場は小幅反発(利回りは低下)。
ロンドンFTは3日続伸。
ドイツDAXは反落。

「1413」

週明けの日経平均株価は3日ぶりの反発。
ただ日中値幅は48円。
後場24円と狭いレンジ。
「米雇用統計というわかりやすい材料を受けて円高が一服。
NYダウの高値更新も継続。
それでも後場に高値を取れなかったのは物足りない」という声が聞こえる。
とはいえ東証1部上場銘柄の69%の1397銘柄が上昇。
TOPIXの終値1639ポイントと年初来高値を更新。
2015年8月19日の1648ポイント以来の水準をほぼ回復している。
日経平均が膠着状態を抜け出すための先導役なのだろうか。
興味深いのは日経朝刊の指摘。
「上がった株は利益確定売りに押され、下がれば戻り期待の買いが入る」。
背景の一つは個人投資家の売買比率の上昇。
7月の売買に占める個人投資家比率は23.6%。
2015年7月以来の高水準になった。
小刻みな売買が膠着感の原因。
個人比率の上昇が小刻みな売買を増加し逆に相場全体を膠着の原因。
合成の誤謬チックなパラドックスだ。
225先物大証夜間取引終値は日中比10円高の20050円。
25日線(20040円)は上回った。
サイコロは5勝7敗で41.7%で過熱感は当然ない。
ボリンジャ―のプラス1σが20104円、プラス2σが20165円。
20100円レベルを奪還できるかどうかが課題の火曜日。
大きな救いは日経平均のPERの14.19倍まで低下。
EPSは1413円と6月26日の1412円を上回って来た。
先週金曜のトヨタの上方修正が反映されたということだろう。
となると業績の225採用銘柄のEPSへの影響は2日後という仮説になる。
立秋を過ぎても「風立ちぬ」には程遠いが一応SQは明後日。
(櫻井)。

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決算、悪くない

iwamoto |2017/08/07 7:23 am

 4日発表された米7月雇用統計は非農業部門雇用者数が20万9000人増加と市場予想(18万人)を上回る内容。平均時給の伸び率も2.5%と市場予想2.4%を小幅に上回るもの。このところ弱い経済指標の発表が相次いで市場に広がった弱気観にも歯止めがかかり、長期金利が上昇、為替もドルが巻き戻し。「ゴルディロックス」状況を確認してダウ工業株は9日続伸、8日連続の最高値更新です。

 バロンズ誌は「最近の株式市場は少し奇妙だ」として、株価上昇の背景にはFRBの「誤った金融政策」(歴史的な金融緩和状態)にあるとし、その政策転換(誤りの是正)にこそ注意しなければならない、と警告しています。

 一方、日経平均は膠着状態ですが、先週はTOPIXが高値を更新。年初来高値を更新する銘柄が連日、100を超し、個別銘柄レベルでは「上値の重さ」などどこの世界の話、といった市況です。日経新聞調べによると、4日現在で3月決算銘柄の第1四半期(4〜6月)経常利益は前年同期比26.7%増と極めて好調。当期純利益ベースでは為替の影響があるからでしょう、同43.3%増と驚くべき伸び率を示しています。(個別銘柄ではよくあることですが)こういう収益変化率の大きい時期には株価は時に鋭角的な上昇を見せることがよくあるものです。

 決算発表がピークを迎える今週は、より好環境。株価指数にも変化が現れることはないのでしょうか。

 さて、先週は集約が間に合わず、1週間遅れになってしまいましたが、「8月の出来事」を以下に掲載します。一覧すると分かりますように、明るい出来事よりも肝を冷やすような出来事が多い月、ということがわかります。

 特に、1971年8月16日のニクソン・ショックを筆頭に、「○○ショック」とか「○○危機」と名がつく出来事がずらっと並んでいます。
 このニクソン・ショックは当時のニクソン米大統領がドルの金交換停止などドル防衛策を米東部時間8月15日(日)午後9時に発表しました。日本時間が16日午前10時ですから、すでに週明けの取引が始まっていました。

 発表を受けて為替市場ではドル売りが殺到。株式市場も売り一色となり、日経平均は前週末に比べて215円安。今から見るとたいしたことない下げ幅ですが、この当時としては過去最大の下落幅なのです。
 しかも、この日だけでは下げ止まらず、19日までの4日間下げ続けて合計550円安という空前の下落局面となりました。16日の下落率7.68%は現在でも1日当たり下落率としては歴代10位のワースト記録となっています。

 もっとも、同年12月のスミソニアン合意(多国間通貨調整)を受け、4か月半後の72年1月にはショック前の株価を回復。さらに政府・日銀による景気刺激策もあって、過剰流動性相場、列島改造相場へと局面が移っていきます。この当時、日本経済にはショック安を乗り越えるだけの勢いがまだありました。

<8月の出来事>
・1888・8・18 明治政府が三井鉱山を三井組に払い下げ
・1894・8・01 日清戦争勃発
・1911・8・01 東京株式取引所で日本興業銀行株式の取引開始
・1914・8・15 パナマ運河開通
・1919・8・15 三菱銀行設立
・1938・8・07 米国でNASD(全国証券業者協会)設立
・1945・8・15 連合国に無条件降伏(06日広島、09日長崎に原爆投下)
・1953・8・28 日本テレビが民間初のTV放送開始
・1954・8・27 日本短波放送が証券市況の放送開始
・1957・8・26 ソ連がICBM「R-7」発射実験に成功
・1961・8・13 東ドイツが東西ベルリン境界に壁を構築
・1963・8・30 米ソ、緊急時のホットライン開通
・1964・8・02 米・北ベトナム、トンキン湾事件(魚雷艇交戦)
・1967・8・28 米政府、利子平衡税に関する行政命令
・1968・8・22 日本共同証券が日銀融資を完済(証券不況の後処理完了)
・1970・8・28 米政府、日本製TVにダンピング認定
・1971・8・16 ニクソン・ショック
・1971・8・28 円が変動相場制に移行
・1973・8・08 金大中事件
・1974・8・08 ニクソン米大統領が辞任発表(ウォーターゲート事件)
・1974・8・30 三菱重工ビルで時限爆弾が爆発
・1978・8・12 日中平和友好条約締結
・1973・8・13 8月13日付米「ビジネスウィーク」誌が「株式の死」特集
・1984・8・24 「投資ジャーナル」グループ、証取法違反で摘発
・1985・8・12 日航ジャンボ機が御巣鷹山に墜落
・1985・8・13 三光汽船が会社更生法適用を申請
・1985・8・15 上海・宝山製鉄所が完成
・1988・8・23 米政府、スーパー301条発動
・1989・8・09 米政府、S&L(貯蓄金融機関)の救済・再建措置決定
・1989・8・29 三井銀行と太陽神戸銀行が合併で合意
・1990・8・02 イラクがクウェート侵攻、全土を制圧
・1991・8・19 ソ連でクーデター、ゴルバチョフ大統領失脚
・1992・8・18 大蔵省が「金融・株価対策の緊急対策」発表
・1993・8・05 宮沢内閣総辞職、自民党が下野
・1995・8・02 政府が「円高是正のための海外投資促進策」発表、日米協調介入
・1997・8・04 ロシアが1000分の一デノミ
・1998・8・17 ロシアが対外債務支払い停止、ルーブル切り下げ(ロシア危機)
・1999・8・20 「みずほ」3行が統合計画を発表
・2000・8・11 日本銀行がゼロ金利政策解除
・2002・8・16 ナスダックが日本撤退を発表
・2003・8・29 フランス全土で記録的な猛暑(死者1万人超)
・2004・8・12 三菱東京FGがUFJと経営統合発表
・2005・8・08 郵政民営化法案が否決・解散(郵政解散)
・2007・8・09 仏BNPパリバ傘下のファンドが資産凍結(パリバ・ショック)
・2007・8・16 ペルー沖地震(M7.9)
・2009・8・30 総選挙で自民が歴史的大敗(鳩山・民主党政権誕生へ)
・2011・8・05 S&Pが米国財務省証券の格付け引き下げ(米国債ショック)
・2011・8・23 東証にETNが初上場
・2011・8・24 政府が「円高対応緊急パッケージ」発表
・2011・8・26 菅直人首相が退陣表明
・2012・8・20 中国23都市で反日デモ
・2012・8・24 金融庁、システム障害で東証に業務改善命令
・2013・8・12 西日本中心に記録的猛暑(四万十市で41.0度観測)
・2013・8・21 7月の訪日外国人客数が初めて100万人突破
(イワモト)

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スーパーゴルディロックス下で充満する飽和感

r.matsushita |2017/08/04 8:07 am

 アップルの好業績発表を受けてニューヨークダウが新高値の2万2千ドル台へ、と聞きますと、今年年初からIT関連の代表株を空売りして来たファンド等の評価損が数千億円規模に拡大した、というニュースを聞いてやはりそうなんだろう、という気になります。しかし一方でナスダック指数の動きは今一つという風になっています。

 日本株も同じようで、NYダウに比べれば上昇は鈍く円高に連動して下げるという以前の動きに又なってしまっている感じです。(海外勢主導の売りによる動きでしょう。)

 見通しがはっきりした状況になる、などということは相場にはありませんし、多くの市場参加者の見通しがそろってしまう時はむしろ危険(急速に逆に動くことが多い)なわけですが、どうも全体としてスーパーゴルディロックス下で飽和感が充満して来たような感覚になります。例えばNYダウを先導する銘柄群を見ますと、株価水準は一部の銘柄を除けばまだバブル領域ではないものの、当面のピーク感は強くなっている、しかし大きな評価益を抱える買い手は本格的に売ってはいない、そこに継続的な買いが入るので売り方の買戻しも誘って相場は上昇し続ける、という姿でしょうか。

 相場の変動が極端に小さくなっているというのもここまで来ますとむしろ不気味な感じにさえなります。どこかで何かをきっかけにして大きく相場が変動する(つまりは下げる・・)のでは、と警戒する人が増えても不思議でなさそうです。

 現時点で世界の金融政策をリードしているのはアメリカですから、何か起きるとすればアメリカ発、それも金融引き締めを契機に(今であれば、FRBの資産圧縮)起きる、ということでしょう。資産圧縮の規模は小さいことは確実ですが、ロバは最後の藁一本で倒れるの例えもあります。規模は小さくても、方向が確実に変わるということの影響は無視できないのかも知れません。

 今月のジャクソンホールでのイベント(24日〜26日の経済シンポジウム)に向けて大きな注目を集めるのも無理ないところです。

 いずれにしましても、今は多少買いポジションを圧縮して様子見の部分を増やす、何か起きたら即座に対応できる体勢を取るよう心掛けるのがよさそうです。

低PRB
 先週、不思議な低PBR銘柄の例をいくつか示したのですが、そうした銘柄の株価の動きは本当に奇妙なことが多くあります。実例を挙げて考えてみたいと思います。

平成29年8月4日
証券アナリスト
松下律

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NT倍率

k.nakajima |2017/08/03 8:06 am

NT倍率は日経平均株価をTOPIXで除して得られます。 日経平均採用銘柄は日本を代表する主力株で構成しており値がさ大型株が多く含まれます。 一方TOPIXは1968年1月4日の東証1部全銘柄の時価総額を100として指数化したもので小型株の動向も反映されます。

アベノミクス相場の始まった2012年12月からデフレ脱却の期待もあり、ほぼ全銘柄が上昇するTOPIX優位の展開が続きます。  その結果NT倍率は2012年12月の12.22倍から2013年2月には11.61倍まで低下する事になります。 しかしそれ以降は相場の柱としてアベノミクスの成長戦略がメインのシナリオになり、日本を代表する主力株が特に外国人投資家の買い対象になります。 相場は日経平均優位の展開に変わり、2013年の12月にNT倍率は12.74倍まで急伸します。

それ以降はアベノミクスへの評価が必ずしも定まらず、市場は乱高下を繰り返すのですが、日銀の日経平均型ETF 買いが継続したことから、円高にも拘らず日経平均優位の展開が続きます。 2016年8月15日にNT倍率は12.82倍まで上昇するのですが、それをピークに一転下落局面に入り直近の8月1日には12.27倍と今年の安値を付けています。

この背景に日銀のETF買いのルール変更があったとの見方が有ります。 2016年7月29日に日銀はETF の買い入れ額を年間6兆円に増額する事を発表します。 ある大手証券の見方では、ETFの買い付けウエイトもその時変更になったとしています。

旧ルール  日経型53%  TOPIX型42%  JPX400型4%
新ルール  日経型28%  TOPIX型70%  JPX400 型2%

新ルールでは圧倒的にTOPIX型が多くなっています。 この決定の2週間後の8月15日の12.82倍をピークにNT 倍率が急落(TOPIX優位)に変わったのも頷けます。 未確認情報では日銀は再び買い付けルールの変更を考えているらしいとの事、その内容次第ではNT倍率への影響は不可避です。 日銀動向に注意です。 
(中嶋)

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「ポストイット」が世界を変えた

k.suzuki |2017/08/02 7:55 am

8月になりました。盂蘭盆会、終戦記念日、原爆の日、高校野球、の8月です。

月が変わるだけで様々な変化が一度に起こっています。政権の支持率回復のために内閣が改造され、7月の百貨店販売がわずか1日で早くも発表されています。

ビットコインはとうとう分裂し、それに呼応してかマザーズ市場の銘柄の多くが急落し、周囲を見回して本当におそろしくなるほどの変化のスピードです。

世の中の変化の速度が、ほんの半年前と比べても、信じられないくらいに加速しているように感じられます。ホワイトハウスのスカラムッチ広報部長は、気品に欠ける発言がとがめられ、就任直後からわずか10日で辞任しました。

ひょっとしたら世の中の変化のスピードが増している、というの正しい表現ではないのかもしれません。今の世の中では、誰もが自分の将来の展望をはっきりと描くことができなくなっています。未来に向けて自分の態度を明確にしたり、進路を固めたりすることがむずかしくなっています。企業の決算見通しなどはその最たるものです。

だから目の前のことはとりあえず、簡単に、軽めに決めておいて、その後に少し方向性が違っていると判明した時点で、気軽に軌道修正を加えるようになっているのではないでしょうか。

言ってみれば「ポストイット戦略」です。貼ってはがしてをくりかえすことができる、メモ用紙の「ポストイット」のように、あまり深く考えずにとりあえず目立つところ、必要なところにぺタッと貼っておいて、あとではがしたり貼り変えたりします。

人生の指針ばかりでなく、政策立案や政党の合従連衡、企業の資本・業務関係、ポートフォリオの運用方針、友人や男女関係、文部科学省の指導要綱、あらゆるものの関係性が不確かでもろいものに変わっています。

パソコン時代とスマホ時代の差、と言ってもよいでしょうか。パソコン全盛の時代、アプリケーションソフトを購入するのはけっこう勇気がいりました。パッケージソフトは2〜3万円はかかりましたので、手軽に買えるものではなく、熟慮に熟慮を重ねて、一度買ったら大切に長ーく使いました。

それがスマホ時代になると、アプリケーションソフトではなく「アプリ」です。ゲームでも何でも、100円、200円は高いほうで、ほとんどのアプリは無料で配られています。それでいて性能は有料版と比べて遜色ありません。

とりあえずタダで入手して、不要なアプリはすぐに捨てる、ということが平気で行われます。アプリはポストイットです。小説でも映画でもお手軽なものが増えました。これでは変化の速度は激しさを増すのも当然かもしれません。

そうです。「ポストイット」が世界を在り方を変えたのです。株価の変動など現状のレベルであればかわいいものに感じられてきます。
(スズカズ)

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「幾星霜」

e.sakurai |2017/08/01 7:51 am

2008年8月にストボの実況をスタート。
直後にリーマンショック。
そして数年後に東日本大震災。
「幾時代かがありまして」だがまるまる9年が経過しました。
「茶色い戦争」も「今夜此処での一盛り」もアレコレと。
常に「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」だったのかも知れません。

フィネグルの法則は「うまく行かなくなりうるものは何でも、うまく行かなくなる−しかも最悪のタイミングで」
そして「どういう結果が予想されても、誰かが必ず結果を曲解しようとする」。
ちなみに週末のNY市場から聞こえてきたのは・・・。
「あまりも長く株高が続くと、良い指標にも悪い点を探り出そうとする傾向が出てくる。
現在の市場には、こうした雰囲気が感じられる」という指摘。
そして第2四半期の雇用コスト指数の0.5%上昇。
伸びは前四半期の0.8%から鈍化。
市場予想の0.6%を下回りました。
結果的にドルは下落。
材料視された雇用コスト指数は「ドル安相場を継続するための単なる口実だったに過ぎない」という 指摘もありました。
ある程度結果のベクトルは決まっているのにその方向ヘ向かう材料を発掘するのは市場の得意技。
システムの世界の法則は意外と株式市場でも通用するようです。
あるいは・・・。
「売る人が多いから安い。買う人が多いから高い」。
この原理原則を放れてアレコレ論じる空虚さはそろそろ理解されてもいいのではないでしょうか。
「安く買いたい人は株価が下がって欲しい」。
「高く売りたい人は株価が上がって欲しい」。
つまり売り方にとって株価上昇が歓迎で買い方にとっては株価下落が歓迎。
この大きな流れの中のパラドックスが現実なのに、逆の解釈をするから儲からないのかも知れません。
「昨日予測したことが、今日起こらなかった事を、明日になって 気づく人」にならないように注意したいものです。

「ホラ吹きは見たこともない株語る
「注意しましょう、警戒しましょう、免罪符」。
評論家の饒舌と実務家の寡黙な理想論。
どちらが欲しいかといえば現場発想の実務家の意見。
門外漢よりもどう考えても役に立つ筈。
「理念は現実の単純化。
理念なしに複雑な現実に遭遇すると簡単に道に迷ってしまう」。
これも一理。
株式市場で対象を抽象化するとそれこそ訳がわからなくなります。
具体的に企業の現場に存在することを掴むことが株式投資のコメントにも役立つ筈。
「実務に精通した行動力と尽きない思い」。
これがマーケットコメントに求められているもの。
あるいは「不毛の海外経済スケジュール数えではなく、枝葉末節ではなく、本質を」。
株式投資で勝つ秘訣の一つは「疑い深く考えること」。
表面化した市場関係者中心の市場動向解釈を疑い、四六時中別のシナリオの可能性を模索し続けること。
あれこれ数字をひねくりまわしたり、紙芝居をすかして眺めるよりもよほど役立つでしょう。

過去50年での平均パフォーマンスがマイナスというのがNYの8月。
東京もワーストパフォーマンスです。
「夏枯れ」と一言で片付けていいものかどうかは疑問。
「過去の大幅下落からほぼ9年。そろそろ」なんて免罪符も聞こえてきました
ネガが心地よく響くようなポジなマインドは、塩漬けがなくなれば来るのでしょう。
いつも「下げるなら買い場」という境地を邪魔するのが過去の実績 。
確かに市場には無尽蔵にお金がある訳ではありません。
週末の名古屋のセミナーで質問してみました。
「買いたいけど思うほど株価が下がっていないと思う人」。
これがかなり多い数。
そして「下がったら買いたい人」は圧倒的な数。
待ち望んでいた買い場が来るのならそれはそれでいいのかも知れません。
ただ、そうは言いながら下落局面で実際に買う人は挙手した方の半分もいない可能性も高い筈。
株価は逃げ水。
下げれば逃げるし上げても逃げる。
本当に厄介な物です。
先週末。
木曜は伊勢の桑名のゴルフ場隣接のホテルでけばけばしいネオンに囲まれた夜。
夜が明けたらTV中継で見慣れた18番ホールとボートが浮かんだバブリーな池。
そして孔雀と鶏の大合唱。
それはそれで面白い構図でした。
酷暑の中たどり着いた金曜夜の美濃。
漆黒の畑の中に、ポツンと黄色いネオンに「焼肉」。
受付で聞いたら「カードは使えません」。
知人が同伴していなかったらそのまま帰ったことでしょう。
しかし、牛タンステーキに始まり塩ロース、そしてハラミ。
全部量が多くしかも絶品。
聞けば名古屋のプロ球団の隠れ家的存在だと。
確かに壁の周りにサインボールとユニフォーム。
どこに何があるかはわからないもの。
ひょっとすると成長株探しというのも漆黒の闇の中の集蛾灯のようなしょぼいサインを探す作業なのかも知れません。

以下は今朝の場況。

「ハイテクからオールドファッションへ」

週明けのNY株式市場も相変 わらずマチマチの展開。
NYダウは5日続伸。
4日連続で史上最高値を更新した。
背景は主要企業の好調な決算との解釈。
特にインドからの航空機受注観測からボーイングの上昇が目立った。
ホームデポやゴールドマンも上昇している。
主要500の第2四半期決算は前年同期比10.8%増益。
利益水準は切り上がってきている。
NYダウは7月月間で2.25%高で4カ月連続上昇。
一方で主力ハイテク銘柄には売り物が続きNASDAQ総合指数は3日続落。
アマゾン・ドットコム、グーグルの親会社であるアルファベットなどFAANG銘柄が安くハイテク株の重石となった。
「成長期待で上げていたハイテク株から、出遅れの目立っていた金融株に資金が移動」という指摘 もある。
シカゴ購買部協会景気指数は58.9と市場予想(59.5)を下回って着地。
仮契約住宅販売指数の伸び率は市場予想を超えて着地。
ほとんど見向き去れない経済指標だった。
29日付の投資情報誌バロンズ電子版の特集は「VIXショートは危険なゲーム」。
歴史的に低水準にあるVIX(恐怖)指数が急騰するリスクを指摘。
「S&P500が3〜4%下落局面では、VIX指数をショートにしているETFなどがポジションを手仕舞う必要に迫られる。
VIXがロケットのように急騰しかねない」というコメント。
これも未来の免罪符の一部だろうか。
原油先物は5月25日以来のバレル50ドル台。
国際商品の総合的な値動きを示すCRB指数もほぼ2カ月ぶりの水準 まで上昇。
1日の個人消費支出とISM製造業景況感指数、4日に米雇用統計を控え債券市場は小動き。
オバマケアの見直しが難航。
減税などの経済政策が後回しになっていることや10日前に就任したばかりのスカラムッチ広報部長の解任報道。
これらを受けドルや対ユーロや対円で下落。

「綱引きは続く」

東証1部の売買代金が3兆円近くまで膨らんだのは月末要因と東芝とセイコーエプソンの入れ替え。
マインドが紅潮した訳ではない。
7月の日経平均株価は月間で104円の下落。
4ヵ月ぶりの下落となった。
7月の変動率は1.3%(上下270円)と1980年11月以来36年8ヵ月ぶりの低水準。
NYダウが2.4%、ドイツDAXが3.9%、韓国総合指数が3.0%。
確か に東京の膠着感が目立っている。
4〜6月のGDPは2.6%増という民間予測。
そして日経朝刊1面では「上場企業7割が増益」の見出し。
進捗率は29%。
3月決算企業の33%、時価総額で42%の企業が通過した第一4半期決算。
経常利益は29%増。純利益は63%増。
製造業の純利益は82%増。
この現実が見えないフリというのが相場の弱さの根源だろう。
225先物大証夜間取引終値は日中比30円安の19910円と軟調。
25日線からは0.7%のマイナスかい離。
松井証券信用評価損率速報で買い方はマイナス4.546%と悪化してきた。
空売り比率は40.7%と2日連続の40%越え。
4月20日の40.84%以来の水準まで上昇してきた。
「市 場予想に届かなかった4〜6月決算銘柄への日計り空売り増加」との解釈だ。
日経平均算出の除数は26.301→26.581に上昇。
期待感の低い8月初日。
月の初日は高いのアノマリーは過去13か月連続。
綱引きは続く。
(櫻井)。

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中国シフト

iwamoto |2017/07/31 7:32 am

 「中国復調、好決算の波」−29日付の日経新聞がそんな見出しを振って中国関連企業の好決算状況を報じていました。紹介されていたのはコマツ、神戸鋼、ファナック、安川電機、ルネサス、日立金属。いずれもこれまで折に触れて人気を集めてきた、名だたる中国関連企業。その各社の業績好転は、膠着感漂う日本株の窮状打破への効果を期待してもいいかもしれません。

 代表銘柄だけでなく、すそ野広く「中国復調」の波が広がっているかどうか。その恩恵を受けている銘柄を探してみました。具体的には、28日の大引け後に決算発表を行った銘柄の決算短信の「定性情報」や「決算説明資料」の中に、中国関連の記述がある銘柄を拾ってみました(新興企業、金融セクターを除く)。以下のようなコメントが目を引きました。

 大同工業(6373)=中国の日系完成車メーカーから四輪車用チェーンの引き合いが好調
 島精機(6222)=中国市場でSPA型ニットメーカーにホールガーメント横編機の導入進展。スポーツシューズ向けにコンピュータ横編み機の活用高まる
CKD(6407)=中国を中心に海外で機器部門の売り上げが伸びる

 フォスター電機(6794)=中国向けSUV者用スピーカーが伸びている
 東亜DKK(6848)=中国を中心にアジア地区での環境規制強化に伴って計測機器の需要が旺盛
 三社電機(6882)=中国市場でパワー系半導体が前期下半期から回復。電源機器の中国での現地生産・販売が伸びる

 ウシオ電機(6925)=中国を中心にシネマスクリーンの新設が継続しシネマプロジェクター用クセノンランプの需要が増加する
 東海エレ(8078)=中国市場でFA、工作機械分野が伸びる

 アシードHD(9959)=中東や中国・香港など海外企業から品質面、技術面で評価され、ODM(相手先ブランドでの飲料製造)が増加
 ミスミグループ(9962)=金型事業が中国、アジアで拡大

 三社電機は17年4〜6月期に営業黒字に転換しましたが、得意のパワー半導体、電源機器が好調。第1四半期の営業利益は第2四半期累計(中間期)の予想数字を上回って達成しています。東亜DKKも中国の環境規制強化の波を受けて収益好転。17年4〜6月期営業利益は前年同期比ほぼ倍増となりました。意外なところでは飲料製造のアシード。海外企業からの引き合いが増えているようです。

 もちろん、「共産党大会を前に政策的な景気引き上げの動きがある」といった警戒感は必要でしょうが、足元での熱気は企業経営者の想定以上のものがあるようです。企業決算をみる切り口の一つとして注目されていいいでしょう。(イワモト)

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もう少し上がると思うのですが・・・

r.matsushita |2017/07/28 8:34 am

 FRB追加利上げ見送り⇒米国株上昇、円高ドル安、日本株下落、というのは理屈通りの動きなのだろうとは思いますが、ちょっと単純すぎるのでは、と思ってしまいますね。決算発表トップバッターの安川電機はホームランでしたが、その後は凡打も多いということで企業業績の向上を積極的に買う、となかなかならないのかもしれません。しかし、任天堂、スイッチ効果で大幅増収増益、半導体業界好調、電子部品も活況、等々といったニュースも出て来ているわけですし、ここから数週間で企業業績の向上分株価が上昇、ということが起きるのではないか、と・・・・

 ふと思い出して、株価指数について言う時、「ドル建て日経平均」としょっちゅう言うのに、「ドル建てジャスダック平均」とか、「ドル建てマザーズ指数」とあまり言わないのは不思議だ、と思ったところでした。日本の株式市場は好むと好まざるにかかわらず、現時点においては売買高に占める海外勢のウェイトがあまりにも高くて、彼らは便利な道具である「日経平均先物」とセットで日経平均を構成するような大型株を中心に売買する、しかも、アベノミクスでは「金融緩和⇒円安⇒企業業績向上」というシナリオで来ていたために、「日本株買い・円売り、又はその逆で、日本株売り・円買い」が普通のポジションになってしまっていた、というわけで、円ドル相場と日経平均のリンクが異常に強くなってしまったのでしょう。(通貨安が株高にリンクする、という動きは各国共通の傾向のようですが。)

 彼らのポジションが今でも大きい以上そういう「連動性」がまだまだ残ると言わざるを得ないのですが、そろそろ、本当にそろそろそういう状況からは卒業するのではないか、という感じがしなくもありません。今年ここまでのところ、日本株では、日経平均よりTOPIX、大型株より中小型株の指数であるマザーズ、ジャスダック平均の方が好調という推移を見せて来ているわけですが、日経平均先物と円ドルのポジションをリンクして主戦場にして来た向きが次第に最大の主役でなくなって来たという事情をいよいよこれから反映するのかもしれません。

 トランプ政権の動揺、米欧(直接的には米独)の対立懸念、東アジアの地政学リスク、等々、秋に向けてリスク材料が結構ありそうな気はしていますが、その前に夏の一段高相場を期待したいものだ、期待できるに違いない、といった感じは持ちます。

上場株式会社とは何なのか?(に関する経営者のマインドセット)
 伊藤のノルマよろしく、ROE8%以上をコンスタントに稼いで、売上利益ともに10%内外の成長を遂げることができて、それは持続可能な成長率になっている、といったある種「理想的な」上場会社があるとしましょう。会社の規模としては、売上、総資産が数十億円〜数百億円、としておきましょう。

 その会社の経営目標の達成は、その会社が属する業界が恵まれているから、といったことによるのではなく、経営者・従業員の不断の努力の結果である見られている、とも仮定します。経営者は、毎年10%内外の増収増益路線を数年のみならず10年以上に亘って続ける決意と自信を持っている、としましょう。

 その上場会社は、配当政策として配当性向40%を基本方針としている、とします。さて、こういう会社の株価は市場でどんな水準になるでしょうか?

 今、市場平均PERは13倍とか14倍です。この会社は成長率が10%内外ですから、市場平均よりは高い、ということで特に人気でも不人気ではない状況下では、多分PERは20倍かそこらだろう、と考えることが妥当でしょう。

 さて、そうしますと、ROEは8%ですから、PBR=ROE×PER、で、PBRは1.6倍くらいであろう、と考えることができます。PERの逆数である益回りは、5%(PER20倍の逆数)ですから、配当性向40%とすれば、(時価の株価で計算した)配当利回りは2%ということになります。なかなかに魅力的な数字ですね。

 すでに書きましたように、この会社の経営者は(株主から見て)信頼でき、かつ優秀です。さて、投資家としてあなたはこの会社の株をPER20倍で買いますか?

 結論を書きますと、この会社の株はその株価で大いに注目されると思います。もちろん、経営者への信頼とか、先行きの環境に対する見通しは投資家個々で違いますから、すべての投資家が「同じ」結論をこの株に対して出す、ということはあり得ませんが、仮定として描いた上記のイメージが非常に確からしいのであれば、投資家の反応はそうなると思います。

 現実の市場は非情で、そんないい会社の株はPER20倍などでは買えない、といったことも多いのですが、株価形成が非情である以上に現実の市場では、「経営者がそれほど信頼に足る人物(経営チーム)でなかった」と後でガッカリするケースがはるかに多く起きてしまいます。(経営者と経営チームの見極めは決定的に重要な投資判断なのです。)

摩訶不思議な低PBR銘柄
 今日の放送で表を示たいのですが、市場には何とも不思議な低PBR銘柄が数多く存在します。それらについて、いろいろご一緒に考えてみたいと思います。

平成29年7月28日
証券アナリスト
松下律

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日本橋と首都高速道路

k.nakajima |2017/07/27 8:12 am

日本橋は江戸時代の主要5街道の起点、つまり日本の道路の原点といえます。 初代の橋は1603年に架けられ、現在のものは20代目で1911年開通しています。 日本橋界隈は歴史的に商業立地として繁栄してきたのですが、近年ではオフィス街としての重要性が増しています。 三井不動産、東京建物、野村不動産などが中心となり民間主導の開発が進んでいます。 更に日本橋界隈の3地区が国家戦略特区の認定を受ける方向であり、日本橋に近い東京駅側では三菱地所が日本一高い390辰竜霏腑咼襪鮓什澤設中です。 そうした地の利、歴史的優位性から、小池知事の、大手町=日本橋=兜町をまたぐ国際金融都市構想に俄然現実味を与えているのです。

しかし俯瞰すれば、其の中心に位置する日本橋の真上を首都高速が走っており、空までの空間を遮断しているのです。 この地点が完成したのは1963年、翌年の東京オリンピックに間に合わせるために歴史や景観を無視し利便性だけを追求したと、今では評判は散々です。 しかし完成した当時は、集積した商業地の上を高速道路が走る構図から「まるで未来都市」だと高い評価があったことも事実です。 ただ時代が要請する国際金融都市の中心が高速道路で覆われていては洒落にもなりません。 次世代を見据え、日本橋を挟む首都高の一角を地下化する方向で、国土交通省、東京都が協力することになったのです。 実はこの地下化構想は、2006年の小泉政権下で「日本橋に空を取り戻す会」として有識者会議で検討されたのですが、事業費の見積もりが5000億円と巨大なため進展していなかったものです。

この高速道の地下化には具体的なモデルが有ると言われています。 2005年に韓国ソウル市の清渓川(チョンゲチョン)の上空に架かっていた6キロに渡る高速道を撤去し川を復元した事例です。 撤去後は川沿いに高層マンションが立ち並びソウルの観光名所になっているのです。 今回の地下化で首都高のかなりの地上部分が再利用可能になります。 後世に誇れる街創りを期待したいものです。

さて地下化構想が急速に具体化したのはやはり国際金融都市構想と無縁では無いようです。 実現には都市計画の権限を持つ東京都の協力が不可欠です。 首都高は法律上、都内部分は『都道』になるためです。 前回オリンピック前に完成した部分を、次回のオリンピック後に取り払い再生する、歴史の因縁を感じる出来事です。
(中嶋)

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安川電機の決算からうかがえる現代中国

k.suzuki |2017/07/26 7:48 am

3月決算企業の第1四半期の決算発表が始まりました。
天下分け目のきわめて重要なイベントです。

トップを切って安川電機(6506)の決算が先週、明らかにされました。既報のように、売上高は1075億円(前年同期比+19%)、営業利益は132億円(+142%)というものでした。驚くべき内容です。

5月1日の日本経済新聞には、安川電機の小笠原浩社長のインタビュー記事が掲載されました。主に中国市場の現状について語っています。記事からは安川電機が得意とする省力化ロボットの好調の背景がうかがえるのとともに、中国の現状がストレートに伝わってきます。以下にそのインタビュー記事を一部抜粋してご紹介します。

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(中国のロボット市場は?)

売上げは年10〜15%のペースで伸びている。
中国の工場の自動化は今後ますます加速する。
今年から来年にかけて高い伸びが維持できるだろう。

一方で日本は減少が続いている。


(中国の景気動向は?)

当面は年5〜6%成長が続くだろう。
あの国の規模の経済で5〜6%成長が続けば、たいへんな需要拡大になる。

日本がかつて歩んだのと同じように、モノづくりの高度化が加速すると見ている。


(どの分野が伸びているのか?)

「自動車」、「スマホ」、「LED」
この3つの市場が爆発的に伸びている。
特に自動車は製造工程で圧倒的にロボットが必要になっている。

溶接や塗装を除けばロボット化が進んでいない。
部品工場もほとんど自動化されていない。

LEDもものすごい勢いで普及している。
電気の使用量が増えるとそれだけ省エネが必要となる。
その分LED需要も増える。

半導体の製造も今後いよいよ本格化する。
中国の経済構造はこれから大きく変化し、それに伴い受注も増える。


(中国にリスクはないのか?)

ある分野が伸びると、大企業から中小企業までがそこに殺到する。
それが中国の特質である。そこで過熱すると政府は金融引き締めを行う。

金融引き締めが始まると、競争力のない企業は一気に淘汰が進む。
景気の動向とは関係なく、政府の意向でそういうことが起こりやすい。


(トランプ政権の影響は?)

何も起きていない。
米国で工場の建設が始まれば、人件費が高いので自動化の需要がきわめて高い。
ただ、2017年は中国での売上げの伸びが一番大きいだろう。

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第1四半期の決算で確認された安川電機の好決算モメンタムは、まだしばらく続くと見ておいた方がよさそうですね。
(スズカズ)

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「ラプソディ」

e.sakurai |2017/07/25 7:29 am

先週木曜の日経朝刊「大機小機」は「海外IR狂騒曲」。
事の本質を得ていました。
「外資系投資銀行に促され、あたかも遣唐使のごとく日本企業のトップたちはニューヨーク、ボストン、
ロンドン、エジンバラなど投資家の集積地を定期的に訪れるようになった」。
これは事実。
トップの体調のために電機炊飯器を担いで随行する者までいるというからまさに狂騒曲。
格好良く言えば「各社の海外IR活動の集積が、海外投資家コミュニティのおける我が国の産業や政策への評価につながる」。
これはこれで重要なことでしょう。
問題は、海外IRを重要視し国内個人投資家IRを軽視とはいわないまでも海外IRの方が一段上と見るような風潮。
場合によっては海外IRはIR部門の業務の最高峰とはき違えているようなことも散見します。
確かに持ち株比率や売買比率、ワンショットの商いの大きさを考えればそうならざるを得ないのかも知れません。
しかし・・・。
足元を見ずして海外にメッセージが伝わるのかどうかはわからないところ。
おそらくトップにはどちらが重要かなんて思考は少ないでしょう。
担当者の入れたスケジュールを消化するだけ。
しかし「狂騒曲」と揶揄までされてまで「物乞い」をする必要はないという気がします。
こんなことばかりしているから国内個人投資家向けの資料にまで英語を多用。
FYとかEBITDAというだけで理解できるほどフツーの投資家さんは英語を理解しません。
「どこを向いているのか」がそんな小さいことから察しられてしまうことに気が付かないとしたら、少し愚かしい現実。
海外では英語だけのIRをするのだから、いっそのこと国内では日本語だけのIRをしてみたらどうなのでしょう。
半ば嘲笑されながら聞かれる稚拙な英語よりはよほどメッセ─ジが伝わる筈です。
「夏が来れば思い出す。日本の企業、変な英語」なんて言われないようにしたいもの。


最近あちこちの企業が「ROIC(投下資本利益率」を重視し始めました。

★ROIC(Return On Invested Capital)
【投下資本利益率】
企業が事業活動のために投じた資金を使って、どれだけ利益を生み出したかを示す指標。
ROIC=(営業利益×(1−実効税率))÷(株主資本+有利子負債)。

★ROE(Return On Equity)
【自己資本利益率】
企業の自己資本(株主資本)に対する当期純利益の割合。
ROE=当期純利益÷自己資本
またはROE=EPS(一株当たり利益)÷BPS(一株当たり純資産)。


日経ヴェリタスの5月15日号の特集は「今度の2万円は違う」。
以下はその中で「稼ぐ会社」でのランキング。

【創出力】(前期の投下資本利益率) 
1位スタートトゥデイ(3092)17年3月期63.4%
2位カカクコム(2371)42.4%
3位ミクシィ(2121)40.9%
4位日本M&Aセンター(2127)
5位アカツキ(3932)27.0%
6位ぐるなび(2440)26.2%
7位ベネフィット・ワン(2412)25.5%
8位エムスリー(2413)25.4%
9位マーベラス(7844)24.6%
10位大東建託(1878)24.0%

ちなみに米国株式市場の平均は11%程度。
対してFANG銘柄は16%程度。
そのうち使われてくる指標でしょう。
ちなみに米国市場のPBRは約3倍。
日本は約1.2倍。
この差は「明らかに目に見えるもの」を作っているかどうか。
何もものを生み出さない企業がアメリカでは多いからこの差となってきました。
ものつくり企業が多いのがこの国の特色ですから致し方はありません。
でもものを作っても儲からないのが世界の常識。
だとしたら、少しは日本企業も方向転換が必要でしょう。
財務指標とは異なり、トップの相場観とか未来思考、人間力なんてものは数値化できないのが残念です。


7月上昇→12月上昇(7月と12月は正相関)。
これがアノマリー。
一方で4月下落→8月上昇(4月と8月は逆相関)。
これもアノマリー。
4月に上昇し7月は微妙な水準。
アノマリーはハズレて欲しいもの。
21日に黒くねじれた勝手雲。
28日に白くねじれるのが多少の期待を醸し出します。
格言は【月(足)を笑えば 相場に笑われる】
微分された日足や分足ばかり見ていると、相場を見失いがちなもの。
日本橋の上を長らく覆っていた首都高速がようやく地下化されます。
兜町に青空が戻ってくるということ。
その時を待ち望みたいもの。

以下は今朝の場況。

「NASDAQは今年41回目の史上最高値更新」

週明けのNYダウは3日続落。
J&Jが大幅に下落し足を引っ張ったほかホームデポやGSが下落した。
「前週後半に最高値を付けており今週はFOMCを控えておりひとまず利益確定」という解釈だ。
ただ無風予測のFOMCを警戒するのかどうかは微妙なところ。
何か解説しなければならない必要性からの言葉だろう。
「債券市場で金利が上昇。
通信や公益など配当利回りの高い銘柄に売りが広がった」という声も聞こえる。
とはいえ好業績のキャタピラは買われており全面的弱気ではない。
しかもアルファベットやアマゾン、フェイスブックが上場来高値を更新。
NASDAQ総合株価指数は反発し2日ぶりに史上最高値を更新した。
史上最高値を更新するのは、今年41回目。
NASDAQ100の恐怖指数であるVXNは14.59。
VIX(恐怖)指数は一時9.26まで下げて今年最低水準。
「ザラ場の史上最低水準(1993年12月27日、8.89)を視野に入れ始めた」とされる。
またモルガン・スタンレーの時価総額がGSの時価総額を上回った。
モルガンの時価総額は864億ドル。
GSは(858億ドル)。
2007年6月以来約10年ぶりの時価総額逆転となった格好。
原油先物価格は上昇。

「売り材料不足の声」

週明けの日経平均は3ケタの下落。
しかし値上がり銘柄は1061、新高値157銘柄と買い優勢の雰囲気だった。
海外株高と国内企業決算の好調見通しによる株価上昇を阻んでいるのは為替の円高だ。
NYでは111円台水準での推移。
昨日の110円台ほど悪くはない。
225先物大証夜間取引終値は日中比20円高の19960円。
25日線水準(20094円)を目指した小動きという展開だろうか。
ボリンジャ―のマイナス1σが20001円、プラス1σは20167円。
マイナス2σの19918円が下の歯止めにはなりそうだ。
「7月7日の19856円を目指すには売り材料不足」という声もある。
松井証券信用評価損率速報で買い方はマイナス3.011%と問題ないレベル。
空売り比率も37.8%と40%には乗せない決意がありそうな気配。
東証1部単純平均株価は2912円(2.05円高)と3000円をうかがうところまで上昇。
NT倍率も12.31倍と低下したきたのは吉兆とも言えようか。
日経朝刊ではマーケット商品面が16ページ目で投資情報、マーケット総合面の前に掲載されるという珍しい現象。
おそらく理由はIBMの4ページカラー広告。
「飛躍し続けるあなたへ」としてAI、クラウドなどのPR。
記事より広告が主役というのは既に常識だが、商品と株式の順番を変えたのは滅多にないことだ。
AIなどに期待するのか、商品市況するのか、判断に迷うところ。
・・・・・・・・・・・・・・

《兜町ポエム》

「夏にご用心」

夏は株価の脇を甘くするわご用心
為替が株価の裾をくすぐるのよご用心
それでも相場から離れなれない
悩ましげな悩ましげな円高くれば
誰かが不意に売付けするかも
あぶないあぶない
夏は本当にご用心 
春の高値のあとが
眩しく見える夏の後場

夏は危険な相場みたくなるわご用心
板がくちびる寄せてささやくのよご用心
それでも相場などやめられない
キラキラしたキラキラした値動きの下
素敵な株に誘惑されそう
あぶないあぶない
夏は本当にご用心
熟れた株価の化粧
こぼれて落ちる夏の後場
(櫻井)。

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EVシフト

iwamoto |2017/07/24 7:35 am

「トヨタ自動車が中国で2019年にEV(電気自動車)車量産を検討」と新聞各紙が一斉に報じています。SUV(多目的スポーツ車)で、部品は一部現地調達(これが中国政府の条件)―といった内容です。
 今月5日にはスウェーデンの高級自動車メーカー、ボルボ・カーが「2019年以降に販売する全車種をEV車とHV(ハイブリッド)車とし、気候変動に影響を与えない生産事業を目指す」と発表。翌6日にはフランス政府が「2040年までにガソリン車、ディーゼル車の販売を停止する」方針を明らかに。
 さらに、13日にはドイツのダイムラーが独南部の本社工場でEV用電池の量産工場を建設する計画を発表―とこの2週間ほどの間に、EV車とその重要部品である電池に関するニュースが相次いだことで、関連銘柄が一斉高となっています。

 例えば、電気自動車の動力源となるのがリチウムイオン電池の正極材で独BASFと合弁会社設立している戸田工業の株価はこの2週間で38.7%高。2015年5月以来の水準まで上昇。セパレーターの専業大手で、韓国LGグループ向けに大量に納入するWSCOOPが26%高、日本最大のリチウムイオン電池メーカーであるパナソニックに電解液を供給しているステラケミファが13.5%高。大型株の中でも順調に年初来高値を更新した昭和電工も負極材の有力メーカーとして知られています。今週もこうしたリチウムイオン関連銘柄が人気を集めるのでしょう。

 一方、けさのNHKニュースでは「トヨタなどの水素エネルギーの事業化を進める企業グループが東京五輪の聖火に水素を利用するよう研究開発を進めている」との報道。二酸化炭素を出さない水素の見直し。一般的な話題としてはこちらの方が面白そう。

 電気自動車よりも水素自動車の方が究極的なエコカー、というのがトヨタの立場。日本政府もそれを支援しています。ところが、海外ではトヨタの思惑を飛び越えて電気自動車へのシフトが急激に進んでいます。

 中国政府は18年以降、自動車メーカーに対しEV、FCV(燃料電池車)、PHV(プラグインハイブリッド)車など環境負荷の低い「新エネルギー車」について、一定規模以上の生産を義務づける方針。それに対応し、従来2020年以降としていたEV車の量産時期を前倒しを検討せざるを得なくなった、ということでしょう。

 代表的なエコカーといえば、日本ではハイブリッド(HV)車を指すのが常識ですが、中国の「新エネルギー車」という規制ジャンルからはHV車が外されています。この中国の規制措置について、日経は「自動車メーカー各社にEVシフトを迫る」ものだとしています。

 さて、この「EVシフト」という言葉。いつから日経新聞で使われるようになったか、日経新聞電子版を使って日経新聞の記事検索してみました。すると、2010年10月に掲載されたリチウムイオン電池の市場拡大に関連する記事(もっと前からあったのかもしれませんが…)の中で。「ハイブリッド車で後塵を拝した中国がEVシフトの流れに乗り、世界の自動車市場で覇権を握ろうとしている」といった文脈で使われていました。

 2010年といえば、米テスラ・モーターズがパナソニックとリチウムイオン電池の共同開発契約を結び、トヨタ自動車とは新EV車の開発契約を結んだ年。その当時から中国は戦略的に動いていました。

 ドイツはフランスよりもっと早く2030年に内燃機関車の生産停止を打ち出していますし、米国ではカリフォルニアなど10州でZEW(ゼロエ・ミッション・ビークル)規制が18年からスタートします。
EVシフトに追い込まれるトヨタにとっては苦渋の決断となるかもしれませんが、関連市場の拡大は待ったなし。市場の関心はこちらでしょう。(イワモト)

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再び2万円超え

r.matsushita |2017/07/21 8:10 am

 アメリカ株との比較で見てちょっと上昇が鈍いなという感じはするものの、(たぶん)そこそこ好調な企業決算(3月期決算会社の第1四半期分)発表を見ながら相場上伸、うまくすれば日経平均2万500円~2万1千円のレンジへ、といった想定でいいのではないかと思うのですが、その後については以下のふたつを考えておく方がよさそうに思います。

・アメリカ株はIT関連の成長(期待)株が相場全体を引っ張る形になっているわけですが、それらは軒並みPERが100倍クラスです。いくら何でも(将来に亘って一直線で維持できる可能性は低いという意味で)割高です。(すでに過去2,3年で大幅な増益となったその後の)向こう2年、3年の内に、利益がさらに何倍にもなるという成長はいくらIT関連の成長企業と雖も難しいでしょうから、どこかでかなりの規模の株価調整があっても仕方ないと考える方がふつうでしょう。こうした株の株価がなかなか下がらないのは、成長期待からの資金流入が継続的に続いている割りには、すでに保有していて大きな評価益を得ている既存の株主が安心してなかなか売らない、からでしょう。利食いの売りが出る程度では下げは知れていますが、どこかで大きく下落して、最近買った投資家が損を承知で投げる、といった局面が到来すれば、株価は大きく下げるはずです。年内に必ずこういう局面が来ると断言はできませんが、シナリオとしては考えておく方がよさそうです。

・日本株は、印象としては上昇が鈍いと映るのですが、ドル建ての日経平均の上昇率は大きいですし、マザーズ指数を見れば年初来で20%以上上昇しているわけですから、相当な強調相場です。銘柄をとっかえひっかえして今年の新高値まで買う、という形で上昇して来たわけですが、どこかでその勢いが止まることをここからは想定しておく方が健全なように思います。(ひょっとするとマザーズ指数は6月23日の高値が今年秋までの高値だったのかもしれない、くらいに考えることも妥当かもしれません。)そうであっても、森ではなく木を見る相場がこれからも続いて、バブルっぽい株価にまで上昇する銘柄が出て来るだろうとは思いますが、ポジション全体では多少控えめにする方が安心だ、ということかもしれません。

日銀の金融政策、準備預金・超過準備・マイナス金利
 昨日、日銀の金融政策決定会合の結果が公表されて黒田総裁が会見を行いました。日米欧のこれまでの金融政策とその株式市場(特に日本の)への影響、今後の政策変更による影響の想定、等々について皆さんとご一緒に考えてみたいと思います。

平成29年7月21日
証券アナリスト
松下律

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金融庁

k.nakajima |2017/07/20 8:48 am

金融庁のイメージは、半沢直樹シリーズに於いて銀行に対しては絶対的な存在として描かれ、その権力を具体的に行使する象徴として、「オネエ言葉」で話す片岡愛之助演じる黒崎検査官が浮かびます。 TVドラマだけに極めて分かり易く類型化されたキャラで登場するのですが、金融庁が金融機関に対し持つ権力の凄さ、そして金融機関が如何に金融庁を恐れるか充分伝わってきました。

1997年11月の山一証券自主廃業を契機に、その後数年金融機関は不良債権処理の暴風圏に突入します。 行政の立場でその前線に立ち、処理の方向性を示し処理を徹底して加速させるために、1998年6月に発足したのがその前身になる「金融監督庁」です。 当時の世論の見方は、銀行は責任回避の為収益を生まない不良資産をひた隠ししている点に集約されます。 具体的には不良資産を本体から分離し国内外に設立したペーパーカンパニーに移し替える所謂「飛ばし」行為、 損失先送りの為の「仕組債」等、作られた決算が横行していた事実は否定できません。 金融検査はこうした実態およびその責任の所在を明らかにし、法令順守の観点から行政上の処分を科すことに主眼が置かれます。 「金融処分庁」と呼ばれたのはそうした背景があった為です。

法令順守を錦の御旗とし、重箱の隅を突くような検査の結果、銀行は些細な事でも金融庁にお伺いを立てるなどリスク回避の姿勢を強めます。 その結果独自の判断で行う、顧客企業の成長を支える金融仲介業の役割が希薄化していきます。 こうした負の影響が有る半面、不良債権処理は加速し、2008年のリーマンショック時も日本の金融機関は欧米に比べ相対的に健全性を維持しえたことも事実です。

そして今、健全性を回復しながら、有るべき金融機関の役割りを放棄しているとの観点から金融行政を仕切っているのが、森長官率いる現在の金融庁と言っていいでしょう。 画一的な検査マニュアルの刷新、金融機関との対話を重視、 あるべき将来像に向かい課題を官民で議論する方向に舵を切ったのです。 つまり金融処分庁から育成庁への脱皮です。  しかし一部金融機関からは趣旨は分かるがいつも説教を受けていると感じるとも。  成果を急ぎ過ぎると黒崎検査官の二の舞になる恐れもあります。
(中嶋)

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短期化する一方のファクター分析

k.suzuki |2017/07/19 7:57 am

最近は世の中が、一瞬にしてガラリと変わります。先ほどまで晴れていたかと思えば、突如として空がまっ暗になり雹(ひょう)が降ってくるというように。昨日昼過ぎの関東地方がそうでした。

ボラティリティの激しさは天候だけではありません。マーケットの中ではもっと激しい変化が日常的に起こっています。ファクターの変化です。

ファクターとは文字通り「要素」です。

現在の株式市場はどのような要素を手がかりに銘柄が選別物色されているか。ROEの高さを主眼に置いているのか、PBRの低さなのか、あるいはPERの低さ、または今期の利益見通しの伸び率の高さか、それとも売上げの伸びなのか。

ひょっとしたら借入金の少なさ、多さなのかもしれません。保有する現預金の多さ・少なさが主眼となることもあります。

そのような選別の基準、要素のひとつひとつをファクターと呼んでいます。株価との組み合わせでいずれも数値分析に置き換えやすい要素であり、クウォンツ・アナリストの得意とする分野です。

企業は決算情報を中心に数値で示されるデータを日々大量に発信する存在です。そのため、ファクター分析にはもってこいの存在となっています。株価それ自体がひとつのファクターです。

90年代ごろまでの計量分析で用いられるファクターは、多くてもせいぜい50種類くらいだったと思います。それがPC処理と高速通信が一般的になり、データ処理がマックスに達してビッグデータと呼ばれるようになると、日常的に用いられているファクターは2000種類を超えたとされています。

それが3年くらい前のことでした。今ではファクターの数はさらに増えていることでしょう。そこに超高速取引とAI(人工知能)処理が加わって、マイクロ秒単位でのファクター分析が行われ、それによって物色対象が瞬時に変わっています。

ここで「ファクター分析が瞬時に行われる」と表現する場合の「瞬時」とは、マイクロ秒です。極端な話、人間がまばたきしている間に数回〜数十回と、ファクター分析の中心となるファクターが変わっていることになります。

以前の牧歌的なマーケットであれば、たとえば「ROEの高い銘柄が買われている」という状況は、3週間から長ければ3か月ほどは続いていたものでした。あるいは「ベータの低い銘柄が買われている」とか、「金利感応度の高い銘柄が売られている」という状況も、それなりの期間に及んでいるのが常でした。

それが最近の傾向として、かつてほどのファクターの持続力はなくなり、より短期的な変動に移っています。背後には収益機会を求める動きが一段と強まっているという事情があります。

ファクター分析の有効期間の短期化はますます進んでいます。分析技術の進化がマイクロ秒単位にまで行き着いたとなると、このような流れがあと戻りすることはありません。

暗雲は突如として天空を覆い、大きな雹が降ってくる。マーケットにもそんな状況がたやすく訪れるようになりました。まもなく梅雨が明けますが、いつも傘を持ち歩いていなければなりません。(スズカズ)

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「この指止まれでESG」

e.sakurai |2017/07/18 7:01 am

経済指標や政治日程などのスケジュールを重要視する風潮は以前から株式市場にもありました。
しかし先物両替取引が登場してからはこのスケジュールが妙にクローズアップされてきました。
そして指標などの発表も情報伝達手段の発達でスピーディーに。
でもかわりに欠如し始めたのは想像力。
スケジュールには異様に詳しい人ばかりが増加。
でもその意味を探るという風潮は薄くなりました。
「小売売上高の発表があるから気を付けましょう」。
そうではなくて、その結果の及ぼす影響についてのコメントというのはほとんど見られません。
あるいは、通過した指標はすぐに次の指標を待つ姿勢に取って代わられます。
条件反射的な筋肉ばかりが鍛えられ、脳が司る想像の世界から市場は遠のいてきました。
常に先のスケジュールを追うから相場に満足感はなく疲弊するばかり。
そろそろこのスケジュール重視主義からの脱却が必要でしょう。
投資シナリオを狭めることは良いことではありません。
しかし自由な投資哲学が登場しないと相場はますます自壊するような気がします。
少なくとも無味乾燥で時間の無駄に思える相場スケジュールだけの羅列。
これがなくなれば「少しはフリーでフェアでグローバル」になれのかも知れません。

あちらもこちらも「ESG」という言葉が代表者のような印象が醸し出されてきた投資市場。
もう何年も前から日本には上陸していたのにGPIFが1兆円投資したからといってなびく市場。
「この指とまれ」はいつの時代も市場の流れです。
日経朝刊では「ESG投資セミナー」の広告が目立つようになりました。
先日は見た日経ホールでのESGフォーラムの広告。
「短期の業績にとらわれると研究開発や人的投資の効果を見逃す」。
あるいは「非財務情報を重視する流れは世界で広がる」。
これはもっともなこと。
経済産業省はまもなくブランドなど無形資産への投資や評価についての報告書を出すそうです。
これって時価会計から簿価会計への復古に思えるのは気のせいでしょう。
ガバナンスを問題にして社外取締役が増えました。
その結果、社外取締役として就任したのはガバナンスを問題にした学者さんたちというパラドックス。
ESGを問題にして、ESG担当社外役員なんてものができたとしたらそれこそ滑稽の世界。
学者さんの世界も稼ぎが重要ということなのでしょうか。
でも本当に必要なのは学者さんたちの稼ぎではなく、企業の稼ぎ。
そして企業の所属する社員さんの稼ぎ。
環境に配慮して社会貢献を意識してガバナンスを強化すれば本当に儲かるのかどうか。
たぶんココが問題の本質。
確かにESG投資の結果は悪くはありません。
しかしその結果が本当にESGに由来するものなのかどうか。
この結論は時間が経過するまでわからないというのも面白いところです。
「社会貢献ファンド」が林立したこともありました。
今は見る影もないという現実もあります。
本当にESGが有効であると考えるなら10年間解約禁止などという勇気ある投信が出てくれば良い筈。
投資の世界で求められるのは学問でも権威でもなくあくまで実績。
このごろの投資の世界はどうも違ってきたようです。
勉強すれば儲かるのなら、大学に投資家育成コースがあっても悪くはありません。
それが何十年もできないのだから察して知るべしでしょう。
職人は学問では成長しないということかも知れません。
アカデミックに「欲望」の世界をオブラートに包んでも何も進歩しないように思えます。
もっとも、こういう形のお化粧や分厚い書物やレポートが大好きなのも市場。
しかし必要なのは適塾や懐徳堂ではなく、石田梅岩に代表される心学の世界。
西洋難解最先端ではなく市場は町民・平易・実践的だと考えたいものです。

先週水曜の図解してみた株価とラグビー。
一見関係はなさそうに見えます。
しかし「ゲインライン」という観点に立つと、日ばかりであれば寄り付きがゲインライン。
もっと長い目で見れば過去の高値がゲインラインという考え方もできそうです。
ゲインラインとはプレーが始まった場所から見て、ボールが前に進んだかどうかの基準。
スクラム、ラインアウト、ラック、モール。
これが攻撃の起点。
起点となる密集の真ん中からゴールラインと平行に架空の横線を引いたものがゲインライン。
「攻撃権を維持するには、できるだけ前で密集をつくった方がいい」というのがラグビー理論。
攻撃側はゲインラインを超えた地点での、マイボールでの再開を狙う。
防御側はタックルラインで相手を倒し、ボールを取り返す。
(ア)ゲインラインを越えて、ボールも保持している
(イ)ゲインラインを越えたが、相手ボールとなった
(ウ)ゲインラインを越えなかったが、ボールは保持している
(エ)ゲインラインを越えず、相手ボールとなった
これは株価にも通じるような気がします。
土曜日の名古屋でのセミナーで「櫻井さん、ラグビー部でしたか」と言われたのには参りましたが・・・。

以下は今朝の場況。

「決算期待」

週末のNY株式市場は続伸。
NYダウとS&P500が史上最高値を更新した。
中型株のラッセル2000指数も最高値を更新。
NASDAQも史上最高値まであと20ポイント程度まで接近した。
6月の消費者物価指数が前月から横ばいとなり、市場予想を下回った。
小売売上高は前月比0.2%減と、2カ月連続のマイナス。
経済指標が冴えなかった割には堅調展開という印象。
「金融緩和政策の継続を示唆」という楽観的見通しも聞こえる。
12月の利上げ確率は指標発表後に48%と、前日終盤の55%から低下した。
大手銀4行の4〜6月期決算は利益が予想を上回ったが市場予想は下回って着地。
VIX(恐怖)指数は9.51%。
1993年12月以来、約24年ぶりの低水準となった。
週間ではNYダウが1.1%高、S&P500が1.4%高。
NASDAQは2.6%高で週間の上げとしては年初来で最大となった。
3市場の売買高は57億株と低調。
週明けのNY株式市場でNYダウは5日ぶりの小幅反落。
「前週末まで連日で最高値を更新した反動で利益確定の売りに押された」との解釈。
NY連銀製造業景況指数はプラス9.8と前月(プラス19.8)から大きく低下。
市場予想を下回った。
もっとも本格化する決算発表では主要500社は前年同期比8.2%の増益見通し。
期待感が高く下値は限定的だった。
NASDAQ総合株価指数は小幅ながら7日続伸。
NYダウは週末比76ドル、NASDAQは同40ポイント、S&P500は同11ポイントそれぞれ上昇した格好だ。
表面利率2.375%の10年国債利回りは前週末比0.02%低い(価格は高い)2.31%。
「FRBがしばらく追加利上げの判断を見送る」との解釈が優勢だったとの見方。

「まだ動意薄」

週末の日経平均は19円高。
日中値幅は62円。
相変わらずの膠着相場だった。
しかもミニとはいえSQ当日の東証1部の売買代金が1兆9863億円と3日連続で2兆円割れ。
「新高値銘柄が117もあったのに日経平均が小幅なゾーンで推移するという奇妙な市場」との声が聞こえる。
ファーストリテ1銘柄で日経平均を60円余り押し下げたのにプラスだから全体は強気継続と見ても良かろう。
TOPIXは年初来高値を更新している。
日経平均は週間では約189円の上昇となり、週足では3週ぶりに陽線。
「1月18日の安値の信用期日通過」効果だったのかも知れない。
次は4月17日安値の信用期日がクローズアップされてこよう。
焦点は内外の決算発表に移行してくる時期。
週明けのシカゴ225先物は週末日中比75円安の20035円。
SQ値20151円は下回っての展開。
25日線(20063円)がサポートになるかどうかが課題。
5日線(20118円)を抜ければ足取りは軽くなろう。
空売り比率は37.5%。日経VIは12.75%と今年の最低水準。
まだ動意薄に見える。
(櫻井)。

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イエレン証言

r.matsushita |2017/07/14 7:59 am

 今週の最大のイベントはアメリカ議会におけるイエレン証言だろうと思っていたのですが、FRBのトップが投機筋を喜ばすような不用意な発言をするわけもなく(そんなことは言えれんという訳で)市場の想定に沿ったややハト派のトーンか、という程度で日本株高になるような影響は今のところないようです。

 かと言って下げる訳でもなく、3月期決算会社の第1四半期決算発表を見ながらやや強い動きになるのではないか、といった雰囲気になっています。

 アメリカの次の金利引き上げは12月、資産圧縮は秋から緩やかに、しかしいずれもインフレ率の推移、景気の動向、金融市場の状況を見ながら慎重に事を進める、つまりは投機筋にとっては面白くもない政策実施になる、ということなのでしょう。

 日本株は、現在のような低ボラティリティ状態がどこまで続くのか?企業業績の向上を受けて一段高があるとして、さてその後秋に向けてどうなるのか?といったところが考えどころなのでしょう。

 日本株が波乱するとすればほぼ確実に海外要因でという気もしますから、例えばFRBがどんなに慎重に金融政策を実施するとしても、その他の波乱要因が急浮上して株式市場、債券市場にインパクトを与えて相場波乱(つまりは急落)につながる、という図式でしょうから、さて、そうした波乱要因として考えられるのは何か?ということに頭が行きます。

 このままずっと低ボラティリティで世界中の株価が順調に上昇するとも思えませんので、いろいろなリスク要因について考えておくことは意味のあることなのでしょう。かつて1987年の秋は、米独の金融政策の食い違いが波乱の一因だったと考えられています。

2013年にキプロスで起きたこと
 預金封鎖などという言葉は今のわが国ではほとんど死語ですが、今から70年ほど前の1946年2月16日にはわが国で実施されたことがある劇薬政策です。(預金封鎖は事前に情報が知れ渡ってしまっては効果が薄くなってしまいますので「突然」発表されて実施されます。)

 直近では、2013年3月16日に実施されたキプロス共和国の例があります。キプロスという国は地理的にも歴史的にもギリシャに近く、キプロスの銀行は地中海のオフショア金融センターとして多額の外資(その中心はロシア富裕層のものだったと言われています)を預かって、その資金でギリシャ国債に投資していました。そのギリシャが財政危機に陥って国債価格が大暴落し、キプロスの銀行は大打撃を受けます。これが、同国の預金封鎖の原因となったのです。

以下起きたことを簡単に時系列で記します。

・2013年3月15日(金曜日):ユーロ圏から100億ユーロの支援を受けることが決定。(条件は、キプロスが銀行預金への課税、10万ユーロ以下の預金者に6.75%、10万ユーロ超の預金者には9.9%の預金税を課すという内容を実施するということでした。)

・翌、3月16日(土曜日):預金封鎖を発表。(発表日が土曜日=休日というところがミソです。休日ですから、預金者は銀行に行って預金を引き出す=紙幣を手に入れることができません。)

・2013年3月19日(火曜日):キプロス議会、上記の銀行預金への課税法案を賛成ゼロで否決。(民主国家の議会で預金封鎖などという民意を踏みにじるような決議が通るはずがない、ということでしょう。これはわが国でも同じだと思います。)

・2013年 3月25日(月曜日):最終条件が決定、キプロス第2位の銀行を破たん処理して第1位のキプロス銀行に集約、10万ユーロ以下の預金は全額保護、10万ユーロ超の預金は、その内の47.5%をキプロス銀行の株券に転換、残りは税金として没収、という内容で、明らかにキプロス国民のダメージを軽減する内容でした。(逆に、多額の預金(資産)を保有していたロシアの富裕層には大打撃で、よくロシアとキプロスが戦争にならなかったものです。)

・2013年3月28日(木曜日):銀行営業再開。(銀行業務は正常化しましたが、引出制限が設けられました。)銀行の営業が停止されていたのが8営業日で、その間も国民は生活して現金は必要だったはずですから本当に困ったと思いますね。当座の現金(生活費1か月分とかいった規模の現金)は家庭内に持っておいた方がいいという教訓でしょうか。

 キプロスは通貨としてユーロを採用していました(います)から、国の通貨が信用を失って問題が生じる、といったタイプの危機が起きた訳ではありません。銀行の財務問題が預金封鎖につながったということです。わが国の場合、危機が起きるとすれば通貨である日本円が信用を失うという形になって資本の流出を招き、情勢によっては預金封鎖に至るということが考えられることになります。

わが国が選んでいる(選ぼうとしている)道
 国のバランスシートが債務超過の状態であっても通貨への信認が失われなければ(つまり通貨価値が暴落しないのであれば)別に何の問題もありませんが、信認を維持するためにその債務超過を多少改善しなければならないとなったとしますと、やり方はともかくとして国民の資産を使って債務超過分を改善する、ということをせざるを得ないわけですから、過去において預金課税(資産課税)の形で国の財務状態を正常化する、というやり方が数多く行われて来たのは当然のことなのでしょう。あるいは、インフレによる債務者利得によって強引な政策をしないで済んで来たことも多数あったと思います。(インフレで調整というやり方のもっとも過激なものが「ハイパーインフレーショ=通貨価値の大幅減額」です。もちろん、「ハイパーインフレーション」は政策とは呼べません。)

 現時点でわが国がこうした劇薬政策を必要としているということは全くありませんが、政府の債務がこれからさらに拡大して行けば、危機感が強まることがないとも言えません。当然さまざまなやり方で将来の危機回避の手立てが講じられているわけですが、現状でわが国がやろうとしている方策という観点からしますと、だいたい以下のような像を描いているのではないかという気がします。

・成長政策:経済規模が拡大すれば政府債務の経済規模に対する割合が低下しますし、税収が増えて借金の負担(利払いと元本返済)は相対的に楽になりますからそれでOKというわけですが、世の中だいたいにおいて「拡大均衡」で問題を解決、というわけに行かないのが常ですから、うまく行きますかどうか。(経済規模の拡大を目指すべき、という点はすべての国民が賛成すべき方向ですが、それで借金の悪影響を減らそうというのはちょっと虫が良すぎる気がします。借金で先食いした分に対する反省がなさすぎますよね。)

・金融抑圧政策(インフレでちょっとずつ調整しようという道):実質金利をマイナスにして少しずつ債務の実質価値を減らす=債務を減らす、という道を辿ろうということです。このためには、ある程度高い(2%くらい?)インフレ率と超低金利(ゼロに限りなく近い国債金利)の両立が必要ですが、ややもするとデフレ+超低金利=実質金利高、となってしまうわけで、コントロールはそれほど簡単ではないように思います。(ただし、今のところうまく行きかけていますね。)

・資産課税の多少の強化:例えば、日本国民は今だいたい950兆円くらいの現預金を持っています。今突然、現預金に100%の税金を課して政府の収入にしてしまえば、国の借金はすべてなくなり、国債はすべて即時繰り上げ償還できます。例えば、1000万円の現預金と1000万円の国債を持っている個人がいるとして、この課税がなされると1000万円の現預金はゼロになり、1000万円の国債は償還されて1000万円の現預金になるというわけです。差し引き1000万円の損ですから、実質的に現預金+国債という金融資産に対して50%の資産課税がされた勘定です。(金額にもちろんよりますが、相続税の最高税率は55%ですから、富裕層はどの道この程度の資産課税はされてしまう、ということかもしれませんね。)

 こんなことをすれば世の中は大混乱になりますし、そもそもこんな法案が国会を通るはずもありません。ということで、こういう劇薬政策は今の日本では無理ですが、相続税率を少し上げる、とか、出国税を創設する、といった資産課税の多少の強化は現実的ですし、すでに実行されています。(さらには、昨年からは、高額所得者に対して財産債務調書の提出が義務付けられています。)

どう対処すべきか?
 個人個人の立場(露骨に言ってしまえば持っている財産の規模)によって考えることはいろいろでしょうが、個人投資者としてみればだいたい以下のようなことなのだろうと思います。

1. 預金封鎖だのハイパーインフレーションだのといったバカげた状態にわが国がならないようにわが国のリーダーたちがきちんと仕事をすることを「ひたすら」願う。自由で民主的な社会、資本主義経済を前提に、少なくともわが国にバカげた状態をもたらない程度の実務能力と、日本国民の財産生命を守るという意思を明確に持った人物を国会に送り出すためによく考えて投票する。

2. バカげた経済・社会状態にならないことを前提に、経済的な価値を生み出すもっとも大きな源泉である株式会社の株主権を信頼して金融資産の一定割合を株式に投じる。投資先の会社の経営者に対して株主利益に貢献するよう最大限の圧力を加える。(それができない経営者を呪う、というのでもいいかもしれません。)

3. 金融機関を信頼する。しかし、銀行預金は一行当たり元本1000万円+利息分の範囲内の収めることを原則とする。(決済性預金は別です。)国債への投資も信頼する。

4. いざという時のために、家庭の中に1か月〜3か月分くらいの現金を持っておく。(あまりにも多額の現金を家庭内に持つことはもちろん避けるべき危険なことです。)

5. わが身と家族を守るため、という強い意識を持って、世の中の情勢変化を敏感に感じ取る体勢を常に維持する。

 こんなところでしょうか。

キャピタル・フライト
 日本語では「資本逃避」と訳されることばで、ある国から資本が海外に逃げてしまう、多くの場合大量にかつ急激に、という状況を示しています。膨大な資本が一気に国外に流出するというニュアンスで、ふつうの状態における対外投資といったこととは別のこととして扱われることが多いようです。逃げ出す資本は、その国の国内資本もありますし、その国に海外から流入した資本もあります。

 現在の日本で、キャピタル・フライト⇒金融危機、が起きる恐れは限りなく小さいという感じはしますし、過去において日本からの膨大なキャピタル・フライトが起きた、ということもなかったように思うのですが、海外の事例を見ればけっこうな頻度でキャピタル・フライト⇒金融危機⇒経済混乱、は起きているようです。(例:リーマンショック後のアイスランド)

 キャピタル・フライトは、資本が、その国の通貨価値の下落による損失を防ごうとして逃げ出すということによって起きることです。厄介なのは、通貨価値が下落するのを嫌がって逃避する資金の流出そのものが、その通貨の価値を下落させてしまう、ということです。

 つまりは、キャピタル・フライトが起こりそうだ、となれば、その状況は投機筋にとっては「絶好の獲物」ということになって、投機筋が嵩に掛かって売り乗せて来る、というわけで、その国の金融市場、経済は大混乱に陥ってしまいます。

 キャピタル・フライトが起きるような情勢にしてしまった、という意味ではその国の政治・経済・社会・国民の自業自得とも言えるのですが、経済・金融情勢はいろいろな要因で変わるわけですから、時と場合によっては、その国にあまり落ち度がなくてもキャピタル・フライトの懸念を引き起こすようなこともありえるでしょう。

 多少困難な局面になってもキャピタル・フライトを引き起こさないように、あるいは、キャピタル・フライトが起きてもすぐに対応できるようにしよう、ということで様々な対策が打たれているのが普通です。

 わが国について見てみますと、日本円が常に信任(信用)されていれば問題は起きにくいのですが、以下のような対応策が用意されていれば、キャピタル・フライトによる混乱を未然に防ぐことができるだろうと思います。

1. 十分な外貨準備と対外純資産を保有していること。これは今の日本は充足しているでしょう。十分な外貨準備を持っていれば、大量の円売りに対して買い向かうことができますし、対外純資産を元にして海外から資金を一時的に借りるための信用を高めることができます。

2. 資本の海外流出防止策を講じること。この点については、わが国では2015年から出国税が課せられるようになっており、以前よりは資本流出の恐れが減ったと思います。

3. 投機筋の攻撃をかわす策を講じること。ソロスによるポンド売りで危機に陥った1992年のイギリスのようにならないための方策を講じる、ということですが、資本取引が自由化されている状況で投機筋の動きを封じるというのは難しいことです。現在、わが国の国債保有における外国人の比率は高くないので当面は大丈夫と言えると思いますが、投機筋の売りによる円危機が起きないように気を付けるというのは重要なことだと思います。

4. 柔軟な経済構造を持つこと。例えば、投機筋の円売りで大幅な円安になった、という場合に、それによって日本の輸出企業が競争力を大幅に高める、という状況になっていれば、円安⇒大幅な貿易収支黒字、となって、円安には限度がある、となるでしょう。

5. 少なくとも今現在は基軸通貨である米ドルの発行国である米国との良好な関係を維持すること。

 全体として、今のわが国はキャピタル・フライトに悩まされるという状況にはない、と言えるように思います。こうした状況を維持することが経済の拡大と企業収益の向上、株価の持続的な上昇にとって重要ですから、ぜひこの状況を維持してほしいものです。

平成29年7月14日
証券アナリスト
松下律

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ナッツの話

k.nakajima |2017/07/13 8:11 am

家内ともども、ナッツに嵌っています。 ナッツはアンチエイジング効果があると言われますが、そうした健康、美容効果を意識してではなく、単純に好きだから、そして美味しいからだけの理由で食しています。 住まいが千葉県下ですので、先ずは特産の「八街のピーナツ」を外すことは出来ません。 夕方の晩酌の「つまみ」はこの殻つきピーナツから始まります。 晩酌とは無縁の家内にもお裾分けです。 八街産はブランドが確立されており、ピーナツの中では価格が高いのですが、毎日の事なのでどうしてもその中での値段の安いものを選ぶことになります。 殻の大きさも不揃いで、なかには殻に豆が入っていない事も有るのですが、味覚で裏切られたことは一度もありません。 コクのある味わいは流石です。 むしろ粒と色調の揃った、しかしコクの無い輸入物には化学肥料の影を感じます。 知り合いのへの贈り物は、八街のピーナツそのもの、もしくはピーナツ煎餅が我が家の定番になっています。 必ず美味しかったとの声が返ってくるのは嬉しい限りです。

一年ほど前に東北を旅行した知り合いから、お土産として貰ったのが福島県喜多方市の(株)おくや製の「10種ミックス」です。 その名の通り種類の違う10種のナッツを、それぞれ違った甘味でコーティングしてあるだけのものですが、その食べやすさと味覚に嵌りました。  製造元に注文する事を考えたのですが、そのやさき駅前のデパ地下の食料品売り場で見つけました。 それ以降これも切らしたことはありません。 食感と味わいの違いを楽しんでいます。

サラダにはくるみ、レーズンを加えるのが我が家の定番です。 時々作る北アフリカ料理の「クスクス」には「ひよこ豆」が欠かせません。 乾きものとしてのナッツ、料理に使う豆等、栄養価の高い食材を結果として、ほぼ毎日食しています。  総じて健康を維持できている一つの要因かもしれません。
(中嶋)

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「東京オリンピック」はすでに始まっている

k.suzuki |2017/07/12 7:50 am

セミナーの仕事で京都を訪れました。日帰りですが、日帰りでよかったと思いました。驚くべき観光客の数です。

花の都・パリ
永遠の都・ローマ
水の都・ベネツィア
光の都・サンクトペテルブルグ
そして千年の都・京都。

さすがは日本が世界に誇る平安貴族の都ですね。外国から観光で訪れたお客さんが多いので、そろってキャスター付きの大きな荷物を引っ張っています。それがJR京都駅から街なかに向かって一斉に歩いているのですから、これは壮観を通り越して怖いくらいです。こちらは道路のどこを歩いてよいかわからず、おろおろしてしまいます。

日本は単一民族で四方を海に囲まれているため、世界の大都市と比べてテロの危険性が低いと見られています。それが一因でもあるのでしょう、世界の観光需要を一手に引きつけています。遅れてきた観光大国に名乗りを挙げようとしています。

欧米人やアジア人とともに、日本人観光客もそれに劣らず多かったのが印象的でした。まだ夏休みに入ってもいないのにこれほどの盛り上がりですから、シニア世代の旅行需要は膨大です。修学旅行生もたくさん見かけました。

東海道新幹線の指定席は、時間帯によっては当日券はほとんど満席で取れません。ここにお盆休みで日本列島の民族大移動が加わったら、いったいどうなるのでしょう。

当然のことながら、観光客が殺到する京都駅ではおみやげショップが驚くほどの盛況ぶりです。中国からのお客さんでしょうか。日曜日の午前中から山のようにおみやげを買い込んでいます。どのお店も飛ぶように売れていますから、抹茶バウムや「おたべ」など人気のお土産品を製造している業者さんはほくほく顔です。

きっとどこかに「インバウンド御殿」なるものが出現し、富める者がますます富むという状況が生まれているはずです。

これは今の日本の消費状況を端的に表しているように思います。売れているものは驚くほどよく売れていて、売れていないものはちっとも売れない。売れ筋とそうでないものの差がかつてないほどに広がっています。

2020年・東京五輪の開幕までジャスト3年となりました。3年後の今ごろ、東京と日本各地にはたいへんな数の国内外の観光客が押し寄せることになります。おそらくここでも混雑と売れ筋に大きな格差が出てくることでしょう。

総務省や厚生労働省をはじめ、政府あげてテレワーク、在宅勤務の導入を進めています。東京都は「時差ビズ」と称する時差出勤の奨励に乗り出しました。3年後など悠長なことを言っている時ではなく、今この瞬間からオリンピックフィーバーは確実に始まっています。
(スズカズ)

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「だから何」

e.sakurai |2017/07/11 7:16 am

先週土曜の日経朝刊。
見出しは「REIT官製相場第2幕」。
REIT購入者への金融庁からの質問は「投資先のREITが保有する物件を見に行っているのか」。
これに対して地銀の担当者のコメント。
「うちの陣容じゃ無理です」。
最近マーケット面で多用される嘆き節。
しかし、これでは担当者失格でしょう。
陣容も何もなく、個人でもREITの物件を見る人は多くありません。
でも家を買い時に家を見ずに買うでしょうか。
個人と組織の違いとは言え、ありえないことです。
所詮無責任運用の他人のお金という典型的事例に映ります。
金融庁は無理難題を言っている訳ではなく、当たり前のことを当たり前にヒアリングしているに過ぎない印象。
「全国に散らばる物件に一つ一つ足を運び、個々の収益力を分析」するのが本当に困難なのでしょうか。
これは疑問。
だからREITそのものでなくワンクッションおいてREITのETFを次善の策としているとの記事。
この弊害が中小REITの上昇。
大規模・高格付けから小規模・低格付けへの移行。
本末転倒のような気がします。
もうひとつの指摘は「毎月分配型投信からの資金流出」。
タコ足的感覚に気が付けば一部のREIT投資の帰趨は当然の流れかも知れません。


「注意しましょう、警戒しましょう」というのが市場関係者の常套文句。
しかし「だから何」という思考が必要でしょう。
「注意する」のは誰でもできます。
問題は注意して「どうする」かです。
台風や大雨ならば「注意」して避難します。
ところが株式市場では「注意」したところで避難するケースは少ないもの。
洪水に襲われてから「台風が来てたんだ」と気がつくことの方が多いような気がします。
だったら株式市場で注意することの意味はどこにあるのでしょう。
これがいつも疑問。
賢そうな専門家の「注意しましょう」はある意味、下落に対する免罪符。
だったらまともに聞く意味は少ないでしょうし、そもそも他人に言われる前に自分で注意しているはず。
注意喚起とかされても「だから何」なのかも知れません。
他力本願チックかつ他人事のような「注意しましょう」は両替屋さんのスケジュールコメントみたいなものでしょうか。
もう一つ市場で解せないのは「今日のレンジ」。
日経平均の1日のレンジを20000円から20500円なんて言ってみたところで何の役に立つのでしょう。
言う方にもおそらく確たる根拠がない数字が勝手に独り歩き。
終わってみれば「このレンジに入った。言ったとおりでしょう」という格好。
それこそ「だから何」。
レンジではなくて「終値」の予想の方がよほど気が利いています。
もっともそうなると自己保身のために答えない市場関係者が増えるのかも知れませんが・・・。
意味のない数字を提示していたずらに貴重な時間を使ったり床屋談義をするよりはマシでしょう。
外回りの隔靴掻痒でなく実のある展望が必要ということを自戒を込めて覚えておきたいものです。


イエレン議長の議会証言が相場の反転あるいは上昇加速という歴史。
少し古くは2014年2月11日。
NYダウは底打ち反転。
2015年はインパクトがなかったが2016年2月10日。
NYダウは底打ち反転。
2016年6月21日。
27日からNYダウは底打ち反転。
そして11月17日。
NYダウは上昇加速。
今年は2月14日。
NYダウは上昇加速。
今週も楽しみになってきました。

以下は今朝の場況。

「アマゾンに振り回され」

週明けのNY株式市場はマチマチの展開。
世界的な金利上昇が一服。
利ざや改善期待で買われていた銀行セクターの下落が重荷となりNYダウは引け際に小幅反落。
アマゾンの有料会員限定セール「プライムデー」の開始を控えて小売りセクターが下落したのも影響した。
ちなみに昨年のプライムデーは世界売上高が過去最高で前年比6割増だった。
米国だけでも5割超の増加。
アマゾンのセールが小売業の収益圧迫につながるとの警戒感が拡大したとの解釈。
金利上昇一服は金融セクターには悪材料となったが主力のIT関連セクターは堅調。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。
水曜予定のイエレンFRB議長の議会証言や企業の決算発表シーズンを前に様子見ムードも強かったとの解釈。
原油先物価、金ともに小幅反発。
債券は主な経済指標の発表のなく方向感を見いだせず小幅高。
表面利率2.375%の10年国債利回りは前週末比0.01%低い(価格は上昇)2.37%。
ドル円は114円台前半での推移。
「主要国と日本の金融政策の方向性の違いが鮮明。
11日の日本の5年物国債の入札が注目されている」という声も聞こえるという。
ドイツの貿易収支は黒字が1.4%増。
市場予想(0.3%増)を上回った。
欧州版恐怖指数のVSTOXXは2.63%低下し節目の15%を割れ込んだ。
欧州主要指数は軒並み上昇。

「2万円台キープ」

週明けの日経平均株価は3日ぶりの反発。
米雇用統計を通過し114円台への円安トレンドを好感した格好。
上値が重い印象は強い。
しかし先週末から150円超の上昇で2万円台回復。
5日線(20023円)や25日線(20038円)も上回った。
「2万円より下では押し目買いが入りやすく底堅さが増す展開に期待」と週末とは一変した論調が幅を利かせてきた。
東証一部の売買代金がかろうじて2兆円に届いたということは「盛り上がりに欠けた」という印象。
225先物大証夜間取引終値は日中比50円安の20050円。
空売り比率は38.3%と40%超は1日で通過した。
以前は45%で反発というのがセオリーだったが直近は40%超で反発という水準に変化した。
日経VIも14.42%まで低下。
日経平均採用銘柄のPERは14.37倍でEPSは1397円。
東芝が225から除外されセイコーエプソンが新規採用に決定したことは好材料となる。
ほぼ十字線だった昨日の罫線。
上下どちらかへの分岐となるのか。
あるいは上値が重く相変わらずの狭い値幅の一日なのかは微妙なところ。
「ETFの決算明けの株価は高い」に期待したいところ。
(櫻井)。

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決算発表シーズン始まる

iwamoto |2017/07/10 7:53 am

 いよいよ決算発表シーズン。それを象徴するのが先週金曜日の引け後、東京製鉄が行った18年3月期業績予想修正の発表かもしれません。

東京製鉄の発表によると、製品価格が期初の見通しを上回り、原料スクラップの市況が軟調。先行きの鋼材需要も都市再開発、東京五輪関連工事の本格化で堅調推移の見通し―ということで、3ヵ月前に発表した通期営業利益見通し100億円が130億円に3割増額修正されました。

同社は3か月ごとに製品市況と現材料価格の見通しを洗い直して業績予想を修正していますから、第1四半期決算の段階で早々と見通しを修正するのは恒例のこと(同社の第1四半期決算発表は7月21日)ですが、なかなかいいタイミングでの増額修正ではないでしょうか。

 東証のサイトをみると、6日現在ですでに2700社以上が決算発表予定日を公表(「6月に四半期・期末を迎えた会社」、3月決算会社の4〜6月期決算発表だけでなく、6月決算会社の通期決算発表とか、12月決算会社の中間(1〜6月期)決算発表なども含む)しています。発表予定日の集中度をみると、最初の山が7月28日(日立、ファナック、京セラ、TDKなど303社)と7月31日(パナソニック、村田製作所、日本郵船、JALなど330社)の今月末2日間。次が8月9日(太平洋セメ、三井金属、住友不など287社)、8月10日(かんぽ生命、ゆうちょ銀行、カドカワなど494社)3連休前が2番目の山でしょうか。後半になるほど小型・新興銘柄の発表が増えてきます。

 今週はホギメディカル(12日)、スーパー・ツール(13日)、寿スピリッツ(14日)、ブロンコビリー(同)、日置電気(同)、ムロコーポレーション(同)。来週はDNAチップ研(20日)、安川電機(同)、アルインコ(同)、ジャフコ(21日)など…。気になっている銘柄、保有銘柄の決算発表日は東証サイトでチェックしておきましょう。(イワモト)

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第1四半期企業業績発表待ち

r.matsushita |2017/07/07 8:33 am

 去年の秋からの株式相場を見れば、買い方の勝利という展開でしたし、今年も日経平均、トピックスはさほどではないにしましても、ジャスダック平均、マザーズ指数は大幅上昇ですから、やはり買い方勝利だった展開ということになろうかと思います。

 さて、それで日経平均2万円攻防となった「今」から、ということになりますと、ここから買い方が勝利するのか、売り方が今度は勝利となるのか?なかなかに微妙なところでしょう。

 ここから日経平均で見て買い方大勝利というのであれば、秋までに少なくとも日経平均が2万2千円くらいには上昇してくれないと不満でしょう。さて、そこまでの上昇を見込んでいいものかどうか。

 一方、売り方大勝利となるためには、日経平均1万8千円割れくらいがないと不満でしょうから、こちらもそうなりそうかどうか、賭けるには微妙なところです。

 少し長く、向こう数年というスパンで見ますと、日本株のPERの低さ、7月下旬から始まる第1四半期の企業業績を見てからの話になるのかもしれませんが、おそらく企業業績見通しは良好、といったことからして、株式相場はけっこう先行き上昇期待が大きい、と言えるように思います。私は個人的には、向こう数年で日本株のバブル相場が期待できると思っているのですが、今現在は少し慎重に構えておく方が気持ちも楽でいいに違いないという思いがします。

バブルへGo!、その前に・・
 世界的な資金過剰に景気のそれなりの回復、企業業績の向上を受けて、いよいよ株式相場は投機資金が大活躍の「バブルへGo!」となるかもしれない、という期待が膨らむのですが、その前に何らかのショック安があるかもしれない、ということは頭に入れておく方がいいように思います。よく言われるのですが、末尾が7の年は大きなショック安が株式市場で起きて来た、ということもありますし。

 例えば、1987年10月19日のブラックマンデー、1日で日経平均が3800円余りも下落したショック相場です。背景に、アメリカのいわゆる双子の赤字問題、アメリカとドイツの間に金融政策上の行き違いがあったこと、暴落にプログラム売買が大きな影響を及ぼしたこと、などが今の目で見ても重要な事実です。

 次に、1997年にはアジア通貨危機⇒日本株大幅安(消費税引き上げの悪影響と日本の不良債権問題悪化もあって、日経平均は、2万円台から1万2千円台に下落。)

 さらには、リーマンショック(リーマンブラザーズ破たんは2008年ですが、the financial crisis 2007-2008と言われる通りで、危機そのものは2007年から起きており、日本株は1万8千円台から7千円台に下落。)日本株相場は大きな悪影響を受けたのですが、相対的に見れば、日本の金融市場が受けた打撃は大きくなかった、ということが言えると思います。

 それで、今年2017年も警戒、となるのですが、現時点と過去とではいろいろ違っていることもありますので、それらを勘案してポイントを整理してみます。

・規模を考えますと、最も大きくなりそうなのは、「中国バブル崩壊」を起点とする危機でしょう。中国の不良債権が破裂して、人民元大暴落、資本の流出、経済活動の麻痺、などが起きれば、かなりの規模のショック安が世界の株式市場を襲うことになろうと思います。ただ、中国は自由化を進めているとはいえ、金融・為替市場を国家が管理していますので、これまでと同様で案外大丈夫なのかもしれません。

・今年の秋ということで考えますと、ありそうなのは1987年のブラックマンデー型のショック、かもしれません。アメリカは金利を引き上げていますし、欧州(ドイツ)とアメリカの間で何となく軋みに似たことが発生しています。欧州が金利引き上げを拙速に実施する(と思われる情勢になる)と、何らかのショックが起きても不思議ではありません。先進国の政策の足並みの乱れは、投機筋の目から見ればつけ込む絶好の機会と映るでしょう。欧米の債券市場でのボラティリティーを注視しておく必要がありそうです。

・ブラックマンデーの時もそうだったのですが、株式のプログラム売買は今ははるかに高度で規模が拡大しています。何かの拍子に「フラッシュ・クラッシュ」が起きる恐れについていつも考えておく必要があります。

 その他、金利引き上げに伴う新興国経済の状態の変化、とか、地政学リスク、とか、いろいろショックの種になりそうな事柄が実はけっこうあります。

 ただ、重要なことは、ショックが起きた時に対処する資金的余裕(と心の準備)をしておけば、別にショックはショックでも何でもない「単なるイベント」に過ぎなくなる、ということです。(特に個人投資家にとってはそうです。)

 あらゆる「ショック」の後には、新たな繁栄のステージが来る(来ていた)というのが過去の事実が教えるところです。特に日本では、ブラックマンデーの後に空前の株価バブル相場が到来しましたし、アジア通貨危機後にはネットバブル相場がありました。日本が政策を大きく誤ることなく進み、日本企業の収益確保への努力がなされるのであれば、これからも同じことでしょう。

平成29年7月7日
証券アナリスト
松下律

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